自分のスイングを知ろう!!
自分のスイングを知らない事には自分の理想とするゴルフスイングは出来ません!
まず自分のスイングを知ることから始めましょう!
自分のスイングを知るのはとても簡単です!
ずばり【球筋】です.
スロー動画で確認するのも良いですが,身体の後方からの画角とボールの後方からの画角でもスイングの解析はズレがあり判断がつきにくい場合も多いです.
ゴルフの球筋は下の図のように9種類に分けられ,その球筋によりスイングのクセがわかります.
まず【打ち出し】が3種類
・プッシュ
・ストレート
・プル
です.
次は打ち出したあとどのように【曲がる】かで3種類
・フェード
・ストレート
・ドロー
この3✕3で9種類の球筋とスイングのクセになる訳です・
ここでゴルフスイングとボールの球筋のルールを紹介します.
上の図はボールに対して上から見たときのフェイスの向きとクラブの軌道です.
赤矢印がフェイスの向きを表し,青矢印がクラブヘッドの軌道になります.
この図で説明すると原則としてボールはまずフェイスの向きに飛び出します.
つまり,ストレート.
そしてフェイスの向きよりクラブの軌道がアウト側に出るとドローがかかります.
なのでストレートに飛び出し,ドローの球筋になります.
打ち出し方向を厳密に言えば,フェイスの向きからクラブ軌道の方に角度差の約2%の影響を受け飛び出すようですが,ここでは無視できるものとして続けます.
ルール通りで考えると,フェイスの向きとクラブ軌道が同じならフェイスの向きにボールが飛び出し曲がりません.
フェイスの向きよりクラブをプル川に引いた軌道だと,フェイスの向きに飛び出したボールはフェードに曲がります.
どうでしょう??
自分のスイングがどのようになっているか分かりましたか?
プロのスイングの種類を知ろう!!
次はツアープロはどのようなスイングをしているかを知りましょう.
プロのような間違いの少ないスイングに自分のスイングを近づければ球筋も安定し水コアアップに繋がるはずです!
今のスイングを大きく2種類に分けられると考えています.
創世記の頃のスイングは無くなり,新しい概念のスイングが生まれた状態です.
一つは腕の動きを強調するスイングです.
タイガー・ウッズ,ロリー・マキロイ,松山英樹やネリー・コルダなどの名選手に代表されるスイングです.
old shoolという分類もありますが,ここでは【アームローテーション】スイングとします.
もう一つは最近【ライン出し】などの言葉で知られる【ボディターン】を強調するスイングです.
著名な選手だとマスター制覇の経験のあるダスティン・ジョンソン選手が代表例で,ミン・ウー・リーや石川遼選手などもこの概念を取り入れている節を観察出来ます.
new schoolとも言われますがここではそのまま【ボディターン】とします.
言葉の定義は様々なのであくまでこのコラムでの参考として考えてください.
この2つのスイングの違いはスイング中の手首の角度に表されると考えています.
2人のトップでの手首の角度を見てみましょう.
左では手首の角度が腕の延長線上にあり,左手首の掌屈角度で言うとほぼ0°です(3Dで計測するとわずかに背屈しているそうです).
右では手のひら側に曲がっており,左手首の掌屈角度が20°ほどに観察出来ます.
スイング中の左手首んこ掌屈角度を見比べたブラフです.
左は【アームローテーション】で右がダスティン・ジョンソン選手の【ボディターン】になります.
左は緑の破線で右では緑の実線が同じ手首の掌屈角度を表しています.
左はわずかに背屈し右ではテイクバック中盤から安定して掌屈している事が分かります.
左ではインパクトにかけて掌背屈角度が大きく変化しますが,右では掌背屈角度の変化が小さいことも見て取れます.
2種類のスイングの違いを理解しよう!!
先ほどのグラフでのインパクトにかけての掌屈→背屈の角度変化の差,これが【ライン出し】と呼ばれるように安定した方向性を獲得している理由と考えます.
ゴルフクラブは背屈すればフェイスはオープンに,掌屈するとシャットになります.
つまり【アームローテーション】ではインパクト周辺で手首の角度が大きく変化するためインパクトのタイミングがずれるとボールの出だしにも差異が大きくなります.
しかし【ボディターン】では掌背屈の変化が小さくインパクトでのタイミングのズレが許容されやすいのです.
【ボディターン】では【シャローイング】という言葉もセットで使われる事が多いです.
トップからダウンスイングにかけてクラブを倒すイメージですね.
これも左手首の掌屈が大きな理由だと思います.
実際スイングをすると分かりますが,左手首を掌屈するとクラブは倒れる方向に動きます.
右手を下げ左手首を挙げるとシャローイングの形は作れますが,インパクトにかけかなり大きなクラブの動きが必要になり,ボールが安定しません.
【シャローイング】という形だけを作ろうとクラブを倒している人は,プッシュスライスや極端なフックに悩まされているはずです.
【ライン出し】【シャローイング】【ボディターン】を意識している人は手首の掌屈が重要である事を忘れないようにしましょう.
ここまででみると【ボディターン】の安定性が強調されスイングは,アームローテーション<ボディターン の構図になっているように思います.
しかし,2024年でもトップレベルで活躍しているツアープロがアームローテーションの選手が多いのも事実であり謎が残ります.
ここからはそれぞれのメリットを考察してみます.
スイング別のメリット&デメリット
アームローテーション
ボディターンでの飛球方向の安定のメリットを上述しましたが,アームローテーションの良さは何なのでしょう?
ボディターンと比較しながら考えます.
一つは飛距離.
手首の角度変化のグラフで説明しましたが,左手首の賞背屈角度変化が大きいのはクラブフェイスをオープンからシャットにコントロールされているという事です.
クラブ自体にシャフトを軸とした回転する力が生まれています.これはクラブヘッドの質量とヘッドの並進運動及び角速度によるパワーになりますのでボールがより飛ぶと考えられます.
女子プロでボディターンが少ないのは、男子プロと比べて筋力・パワーがないため飛距離の問題があるからとも推察出来ます.
次はインテンショナルのコントロールが挙げられます.
普段からクラブフェイスの開閉をコントロールしているという事はインテンショナルに必要なクラブパスとクラブフェイスの向きもコントロールしやすく,その間借り幅もより大きく出来る可能性が大きいと考えられます.
ではデメリットを考えていきましょう.
ボディターンとの比較で上述したように,インパクト前後のクラブ開閉が大きいのでインパクト前後にそのタイミングがずれるとクラブフェイスの向きが変わるので飛球方向がバラバラになりやすいのです.
毎日沢山練習するプロや研修生であればその練習量でカバー出来るのですが,練習量の少ないアマだと再現性が小さくラウンド中のミスショットにつながる可能性は大きいと思います.
ただし,オールドスクールのような以前のアームローテーションよりドライブホールドと呼ばれるような前腕の回内外を抑えたスイングに変わって来ているので,以前よりコントロールしやすいスイングが出来ると考えています.
ドライブホールドの詳細については後述します.
ボディターン
ボディターンのメリットは前述した通り,クラブフェイスの開閉の小ささによる飛球方向の安定です.
以下はデメリットになります.
一つは先ほど挙げた,飛距離の低下.
開閉が小さいことでシャフトを中心としたヘッドの角速度が小さくなりやすく,パワーが小さくなります.
ただし,ボディターンでも飛距離の大きい選手はいるため,インパクト時の前腕や手首のリリースによってカバー出来る課題かとも考えています.
その部分の詳細なデータなどがまだ渉猟出来ておらず,出来次第加筆修正します.
推察の範疇ですが,コネクションを強調するとスイング中のハンドパスはかなり強くインサイドに引く動きになります.
そうするとグリップエンドを中心とした水平成分の角速度が生まれます.
左手首の掌屈を保つことでダウンスイング後半でもクラブヘッドが身体の後ろ側に位置させられるため,水平成分の角速度を生成刷ることは可能だと考えています.
次はバイオメカニクスの問題です.
ボディターンを強調すると左肩関節の水平内転を保ったままインパクトします.
左腕が胸にくっついている状態と考えてください.ここでは簡易的に【コネクション】と定義します.
実際のスイングではコネクションが保ったままインパクトする事は無いようですが,G.Gスイングで知られるジョージ・ガンカス氏は練習ドリルでコネクションを強調しています.
コネクションを保ったままだとすると,胸が飛球線方向を向いた状態でインパクトします.
体幹の傾斜は保持する必要があるので極端に身体の側屈を強制されます.
この過度な側屈は胸腰椎へのストレスになることが予想され,柔軟性が必要になります.
Instagramjより
アームローテーション,ハイブリッド,ボディターンの選手をインパクトのタイミングで見比べて見ます.
一番は身体の前傾角度が違います.
次に胸の向きです.
もう一つは右肘の屈曲角度も注目しておきたい部分です.
アームローテーションではダウンスイング中のP5に当たるフェイズからコネクションが無くなります.
この段階から身体より腕が追い越す動きが出てくるわけです.
ボディターンをより強調するとインパクト直前までコネクションが保たれているのが分かります.
骨盤も胸もほぼ飛球線を向いてインパクトを迎えています.
このあたりが大まかなスインつの違いとして説明出来ます.
上達の近道となる自分にあったスイングとは!?
個人のスポーツ歴やクセもあるので断定は難しいですが,今のスイングから考えるのが最善と考えます.
スライスが多い人向け!
まずスライスの多い人向けに解説します.
一番上に説明した通り,クラブパスに対してフェイスが開いている状態だとスライス軌道になります.
多くの場合はダウンスイングがアウトサイドからインサイドに抜けているパターンです.
これをインサイドから無理やり持って来ようとすると右股関節が前方に出て,アーリーエクステンションになりやすいです.
さらによりフェイスの開閉を行う必要があるため飛球が暴れやすくなります.
タイガー・ウッズ選手もこれを【Ole swing】として揶揄しているところを観た事があります.
彼もジュニア時代や若い頃はそのスイングだったと言い,飛球の安定性を欠くのが欠点であると指摘しています.
アウトサイドから入る原因は,キャスティングやアーリーリリースと呼ばれる,早い段階での手首のほどける動きと,左手首の背屈です.
手首の背屈は野球出身のプレイヤーに多いです.
これを修正するにはコネクションのと左手首の掌屈を意識しましょう.
つまり【ボディターン】の意識と同じです.
スライスが多い人はボディターンのイメージを持った練習をしてみると良いでしょう.
チーピンなど強いフックが出る人向け!
次はチーピンに悩む人です.
スライスとは逆で,クラブパスに対してフェイスが閉じているとフックが出てその角度差が大きいとチーピンのような強いフックになります.
多くの場合番手より低い弾道になります.
これは多くの場合,左肩が上に引け手元が先行しクラブが閉じながら擦り上げている状態です.
二通りの原因があります.
一つは骨盤や身体の回転が止まり,腕だけが先行してしまうパターンです.
この場合チキンウイングも起こるので判断しやすいと思います.
この症状だと身体を止めず回転させる【ボディターン】を意識するのがよいでしょう.
次の因子はボディターンでも起こり,身体の向きとコネクションのバランスが悪いと起こります.
胸が飛球方向へ向いている場合,コネクションを保つ必要がありますが,コネクションのリリースが早いと同じようにチーピンとなります.
このパターンは,どうインパクトを迎えるかによります.
しっかりボディターンをして胸が飛球方向を向く状態でインパクトするならコネクションを最後まで保つ必要があります.
胸が飛球方向45°程度ならコネクションのリリースを早め,腕が身体を追い越すアームローテーションの意識が必要になります.
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