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理想の投球フォームとスポーツ科学~バイオメカニクスによる球速アップと,肩・肘の障害予防~

理想の投球フォームは球速もアップし,野球肩・肘の予防を実現する

【理想の投球フォームをバイオメカニクスから考察する】

このテーマを目指して投球フォームを科学します.スポーツ医学にも沿うよう心掛けて執筆しております.

 

ある番組で山本由伸選手が話していました.

『投球フォームに正解はない.』

その通りだと思います.そのためにトップのプロ選手でも様々な投球フォームがある訳です.

 

ただし,【投球フォームに不正解はある】と考えています.

悪いフォームで肩や肘を壊したり,球速が上がらない事はあります.

 

充分な知識や指導が無いことが原因で,上達出来ない人や故障で選手生命を閉ざされた人は沢山いると思っています.

私もその一人です.私の場合は自身の努力が足りなかった事もあります.

そんな後悔が起こらないように『スポーツ科学の知識で選手としての成長をサポートしたい』

この想いでスポーツのコラムを作っています.

 

野球における肩や肘などの痛みには→整体メニュー

 

未来の野球選手のためにこの記事の書籍及び漫画化を目指しております

ご助力頂ける方のお問い合わせをお待ちしております.

 

初回公開日:2016年10月

最終更新日:2026年5月

  

投球障害に対するリハビリテーションは↓

投球フォーム 最速 理想 ピッチング

球速と投球フォーム〜ボールを投げるという事〜

 

 現在,日本で史上最速は2016年のクライマックスシリーズで大谷翔平選手の投げた165㎞/hです.

アメリカメジャーリーグでは,チャップマン選手が106m/h(約171㎞/h)を記録しているというものですが,非公式となっています.

 

物体が速く動くということは物理的に捉えれば【力学的エネルギー】が大きい事であり,ボールの重さは一定なため,速いボールを投げるにはの大きさとその力を与える時間が関係します.

 

 ピッチングではプレートに立った状態から限られたフォームの中で効率よくボールにエネルギーを与える必要があります.

 

投球フォームにおいてボールが得られる力は,

  • ワインドアップからの右脚の蹴りだし
  • 股関節の回旋
  • 全身にかかる重力
  • 体幹の捻転,肩の回旋
  • 肘の伸展
  • 肘から先(前腕;ぜんわん)の回内
  • 手首の尺屈,掌屈
  • 手指の屈曲

があります.

 

 これら一つ一つをアクセラレーションのフェイズで,効率よくボールに伝達出来れば球速は大きくなります.

 

では,それぞれの力を確認しましょう.

 

下半身でのパワーの作り方は↓もご覧ください.

ピッチング,バッティング,ゴルフスイングでのパワーを生み出す方法

 

 

球速をアップさせる投球フォーム

軸足股関節の回旋を使った投球フォーム


投球のフェイズで最初にボールに力を与える運動は,軸脚での身体全体を投球方向に押し出す力です.

股関節の働きが非常に重要であり,股関節を外に開きながら後ろに蹴る力が必要になります.

具体的には下の画像の動きです.

股関節の【外旋・外転・伸展】の運動が複合的に働いています.

ピッチングフォーム 股関節
右股関節の外旋・外転・伸展の動き

この時,右足部はプレートで固定されているため,相対的に骨盤や体幹が捻りながら前方へ押し出される運動になります.

特に重要なのは【股関節の外旋】です.

よく投球において『タメ』という言葉を耳にしますが,股関節外旋に至る前の股関節内旋もこの『タメ』の部類に入るのではないかと思われます.

外旋に至る前の内旋での『タメ』については,【トルネード投法】で有名な野茂英雄さんのフォームがわかりやすいです.

外旋の筋発揮を行う前に反対方向の内旋を強調することでストレッチショートニングサイクルによる筋出力増大が狙えます.

 

外旋などを含めて股関節を【3次元】で使う事はほぼ全てのスポーツにおいて必要で,意識して股関節を使う事から始め無意識にその動きが出来る事が必須です.

 軸となる右の膝を後ろ側に残す意識をすると骨盤の水平面での回転をイメージしやすくなります.

ピッチング フォーム きれい 野球
股関節で骨盤を回転させながら前方へ押し出す

下のイラストのように,膝を内側に入れて身体を倒すようにしているフォームでは,右股関節の力を充分に発揮できていません.

重力による加速度だけに依存する事になり,骨盤を捻り押し出す力がないためボールに働きかける力が小さくなります.

さらに膝に対して外反と回旋のストレスが発生して故障の原因にもなるため修正が必要です.

野球 ピッチングフォーム 投球
右膝が内側に入り重心だけに頼った骨盤・体幹の移動

身体に対する重力を球速アップに利用した投球フォーム


右足を支点にしているところから重心が投球方向に移動すれば,身体が投球方向に倒れる力が発生します.

これは重力による作用を利用できます.

これも投球方向へボールを押し出す力となります.

 

以前の投球フォームはこの力を重視し,腰を低く投球することが指導されていました.

「より遠くに左脚を出し,右膝が地面にするくらい腰を落とせ」と.

 

野球 ピッチングフォーム 腰
左脚の膝が曲がり腰の位置が低い

近年,膝に土が付いているピッチャーは見かけなくなりました.

 重心の前方移動の力をボールの球速へ変換するためには,【左脚の突っ張り(リードレッグブロック;詳細は以下)】が必要だからです.

この力の変換が球速アップに欠かせません.

腰の位置が低くなるということは左膝が大きく曲がっており,前方へ押し出された力を骨盤の回旋方向へ変換しきれません.

 

同様の話を【前田健太】投手がYouTube内で話しています.

前田健太 投手 ピッチング方法

前田健太投手も高校の時に修正した事.

小学生や中学生で知っていたらまた違うパフォーマンスが見られたかも知れません.

 

江川卓 佐々木 大船渡 投球フォーム

甲子園で1970年代始めを代表する江川卓と,2010年代後半を代表する元大船渡高校の佐々木選手の投球フォームです.

 

江川に比べ佐々木選手の方が,軸足膝と腰の位置が高いのが分かります.さらに左膝の屈曲角度にも違いがあります.

『とにかく腰を落とせ』と言う時代がありましたが,バイオメカニクスの観点から考えると球速の向上は見込めません.

 

 

球速アップする投球フォーム~ステップ脚の使い方と身体の捻り~


上述のようにステップ脚で【つっぱる】事が骨盤の回転を含む身体全体の捻りの速度を増大させます.

重心が前方移動している力を骨盤の左回転へと変換し,さらに胸椎での左回転を行うことで力を上乗せします.

投球フォーム ピッチング 股関節 理想
①から②へと力の向きが変換され③の力の方向に伝達される

 

 軸脚股関節で生み出された力と重力により重心が前方移動している状態で,左脚を突っ張って左股関節の位置を固定する(上図①)と骨盤は左へ回転(同②,③)しようとします.

この左脚の使い方が右脚での蹴り出した力を身体の捻る力へと変換するわけです.これが【リードレッグブロック】です.

 

MLBで公式記録最速をマークしている,チャップマン選手やヒックス選手,さらに甲子園を賑わせた元星稜高校出身のの奥川選手 などはホップしてリード側の脚を着地するほど重心の前方移動の力を大きくしています.

 

前方移動の力を支えきれないことや腰を落とそうと左脚が大きく曲がってしまうと,身体が流れたようになり力の変換にロスが生じてしまうので,左脚での身体のコントロールはとても重要です.

 

投球フォーム ピッチング 骨盤 理想
側方から観察 左脚を突っ張るイメージで骨盤を回転させる

このステップ脚で踏ん張る事の重要性がわかる動画を添付します.

上の動画の矢印はどのように踏ん張っているかを表す【床反力】です.

 

ステップした脚では反力が大きく記録されています.

踏み出した力をステップした脚でしっかり受け止め水平方向への回転スピードに変換しているという事です.

 

また,軸足の反力にも注目する事があり,軸足の反力を表す矢印が投球方向から徐々に3塁側へ移動しています.

これは軸足を外へ開くようにして身体を押し出しているという事になり,始めの軸足でのパワーの生み方の確認となります.

 

もう一つステップした脚の踏ん張りが重要かを示す知見として挙げられるのは,垂直跳びのパフォーマンスが良い選手はピッチングにしてもヒッティングにしてもボール速度が大きいという結果です.

 

 

投球 速度と垂直跳びとの相関
SlugFestより

ステップ脚でより強く踏ん張れる能力がある方がパフォーマンスは良い事になります.

 

ステップ脚で踏ん張る時の注意点としては,膝が左右にぶれない事,膝が爪先と同じ向きにホールド出来るかどうかです.

軸脚で生まれた骨盤の水平方向の回転を意識するとステップ脚もその力の影響を受けて,右投げなら1塁側へ流れやすくなります.

 

ステップ脚の膝が外に向く分だけ回転の力をロスしている事になるので球速が上がりません.

ピッチング フォーム 大谷
ステップ脚の膝が流れてしまうイメージ
大谷 投手 投球フォーム フォロースルー

上の写真は膝が外に開いてしまう状態をイメージしていますが,膝が流れず真っ直ぐホールドしておくようにするだけで球速は向上します. 

さらにその力を体幹に伝え充分に左に回旋する事で,右肘がしっかりと前に出てリリースポイントもバッターに近い位置になります.

野球 ピッチング 投球 フォーム
野球 ピッチング 投球 フォーム

球速アップする投球フォームと肩の捻り(内旋)の関係


身体の捻りが始まると右腕は相対的に,後ろ方向に動くことになり後ろへ倒れます.

ここから肩を元に戻すように捻る力と肘を伸ばす力が球速に寄与します.

 

ここで肩を捻る力が優先されたりタイミングが早かったりすると,肩や肘の負担が大きくなります.

 

上の写真はピッチャーのリリースですが,肘はほとんど伸びています.

ピッチングについて下の図のように肘が曲がった状態で,腕を前に倒すようなイメージを持っている人もいると思います.

この動きは肘や肩に負担をかける投球フォームであり,肩・肘を痛める原因でもあります.

野球 ピッチング 投球 フォーム
肩の捻りのみの動き

ボールスピードに及ぼす影響は,一般的に肩の捻りより肘を伸ばす力の方が大きいと言われ,肩の捻りがスピードに大きく関係する投球フォームは,肩や肘など身体への過剰な負担を与えることになります.

 

 

球速に関係する投球フォーム中の肘の伸び(伸展)


身体の回転で発生した力をさらに増大させるように,肘を伸ばす力を加えます.

体幹の捻りが充分ではないと,肘の伸ばす力は投球方向へ働きません.

 

投げるという動作で腕の意識が強すぎると,身体を捻る力が充分発揮されません.

身体の捻り,肩の捻り,肘の伸ばしそれぞれを意識する必要があります.

 

下の図は世界最速を誇るチャップマン投手のリリースポイントを示しています.

投球側の肩が充分前に出ており,身体をしっかり捻っている事が分かります.

投球フォーム リリース チャップマン投手
チャップマン選手のリリースは約30cmも前の足より前方 しっかり体幹が回転しており投球側の肩が前方にある

さらに大谷選手を例に挙げると,エクステンションと呼ばれるリリースポイントはプレートから6.8フィート(約204cm).

大谷選手のストライド長についてのデータはありませんが,エリートピッチャーのストライドは身長の約85%と言われています.

大谷選手のストライドを概ね170cmと仮定すると,ストライド位置から34cm前方でリリースされていることになります.

仮定があるので確実ではありませんが,プレートから200cm以上先のポイントでリリースするためには体幹が大きく回旋出来ていないと不可能です.

 

また佐々木投手の場合もエクステンションは211cmとされており,身長比から考えてもかなり前方でリリースしている事が分かります.

 

下のInstagramは前田選手のリリースポイントを上空撮影したものでも体幹の回旋がしっかり行われ,胸はキャッチャーより一塁側に向いています.

また,リリースポイントがリードレッグより大きく前にあることがわかります.

投球フォーム 前田健太 リリース
Instagram @18_maeken より

球速アップする肘から先(前腕)の捻り(回内)と手首の曲げ(掌屈)


投球フォームの中ではかなりマイクロな部分で,この動きを知っているかどうかは,投球スピードや肩・肘を守る上でとても大事な動きです.

 

肘から先の動きは分けて考えるのが難しく,前腕の返しと手首の曲げはほぼ一体です.

 

掌が内側を向いた状態から外側を向くように前腕を捻ります.

この動作がないと効率的に手首を使えなくなります.

投球 ピッチング フォーム リスト 手首
手首が内側から外側に向きながら曲がる

投球やラケットを用いる競技でよく言われる【スナップ】です.

 

投球では動きが小さく動作を確認しにくいですが,バドミントンなどの競技を観察するとラケットのフェイスの向きで,この前腕の動きがよく分かります.

 

打った面がフォロースルーで一度身体の外側を向きます.右利きなら右側です.

これは掌が内から外を向く動作で,これと同時に手首が曲がることで一番効果的に力を発揮することが出来ます.

 

野球 ピッチング 投球フォーム リスト フォロースルー
リリースからフォロースルーは掌が右側を向く

手首は腕を固定した状態で【ただ曲げる】だけでは速く動きません.

前腕の捻りと手首の曲げを同時にさせると速い手首の運動が実現できます.

 

‘手首を使え’と言われ手首を曲げる事だけを意識すると動きがギクシャクし効率的に運動が実現されないため,肘から手首までの動きもしっかり見直す必要があります. 

 

指のリリース後の動きもしっかり腕が振れているか確認できます. 

ストレートの場合ですが,リリース後,親指が中に入り人差し指や中指に握りこまれるようになっていると腕の振り方,手首の使い方が正しいと確認出来ます.

 

投球 ピッチング 指 リリース
親指が人差し指に握り込まれる
投球 ピッチング フォーム 指
親指が握りこまれていない

カーブのときのリリースのように親指が掌の外にある場合は,腕の振り方や手首の使い方が間違っており,野球肘のリスクが高くなります.

 

投球時の掌の向きと指の弾き方がとても分かりやすい動画がありますので観てみましょう.

 

リリースから掌が右を向き,親指が握りこまれる様子が分かります.

投球フォームのバイオメカニクスまとめ

以上が一連の投球で必要な事項です.

 

特に意識されにくい部分は,

  • 右脚の蹴り出しから身体の捻り
  • 肘の伸び
  • 前腕の返し

だと思います.

 

投球動作は,

  •  ‘手投げはだめ’
  • ‘身体を使え’
  • ‘身体の開き’
  • ‘肘の下がり’
  • ‘スナップを使え’

 

など指導されますが,具体的でないため選手自身もどうしてよいかがわかりません.

 

筋力や身体の柔軟性も必要ですが,身体の部位によっての使い方を理解する事が球速アップの近道です!

 

障害予防のためにも,まずは‘投げ方’を身に付けてみましょう.

投球のようなオーバーヘッド動作の全体像を観察するには ,テニスやバドミントンなどのラケット競技を観察すると分かりやすいです.

テニス サーブ 投球 インパクト
インパクトした面は外側を向く
テニス サーブ 肩肘肩 ライン
インパクト時の肩肘肩ラインがほぼ直線
テニスサーブ フォロー
フォローは体の外側に抜ける

グローブ側の腕の使い方に関する考察

投球フォームについて,グローブ側の腕の使い方についても議論される事が多いです.

このコラムではグローブ側の使い方についてはそこまで影響しないと考えています.

極論にはなりますが,少し過去の選手のJim Abbotte選手を紹介します.

まずそのフォームです.

Jimは生まれつき右手が無く,右手首に左用のグローブを乗せるように置いて投球します.

左手による投球が完了したら左手をグローブに突っこんでフィールディングをしました.

投球フォームで言えば積極的にグローブ側の腕を使う事は出来ず,実際強く引くような動作は見られません.

 

そのフォームでもある程度の成績は残していますし,必ずしもグローブ側の腕の使い方が投球のパフォーマンスに大きく影響しているわけではないという理由づけになります.

身体に対する体の重量割合で考えても腕の引き方による体幹回旋トルクへの影響はわずかと考えて良いかもしれません

 

 

野球肩,野球肘の予防から考える正しい投球フォーム


ここからは,【肩と肘を壊さない】投球フォームです.

野球肩と肘の予防に主眼を置いたフォームを解説します.

 

まず重要なのは各フェイズでのタイミングです.

最初にチェックするポイントは左足が着地した瞬間,肩関節が十分に外旋しボールが肩関節より上にあることが大事です.

投球フォーム フットストライク ピッチング
左脚が着地したタイミング

この時に前腕が垂直に立っていないと,腕の捻りが急速に行われるため肩や肘へのストレスが大きくなります.

投球 ピッチング フォーム
肩関節の外旋から内旋の動き

肩関節の外旋(図では腕が後ろに倒れる動き)から内旋(腕が前へ倒れる動き)への切り返しが短い時間で行われるため,内旋への大きな角加速度が発生します.

角速度が大きいという事は,大きな力が働いているという事で,肩や肘の直接的なストレスとなり,野球肩や野球肘の原因となります.

 

バットスピード
SlugFestより

短い時間で力が集中する例として,上の図があります.バッティングにおけるバットスピードの立ち上がりを見たものです.

インパクトのタイミングで同じバットスピードでも,その立ち上がりの早さによってスイングの開始時期が違います.

立ち上がりが大きい方が,ボールをより見定めてからスイングが開始出来るためバッティングのパフォーマンスとしては良いことになります.

しかし,グラフの立ち上がりが大きい方が瞬間的な力はより大きくかかります.

これは投球についても全く同じことが言えますので,同じ初速でリリースする場合だけを考えると短い時間に力が集中すると肩や肘の負担も大きくなるわけです.

 

もう一つこのタイミングで重要なのは身体の向きです.

このタイミングで胸が3塁側を向いている事が大事です.

野球 投球 フォーム
チャップマン選手のフォーム

チャップマン選手の投球フォームです.

左投げのため反対ですが,胸がキャッチャーではなく1塁側に向いています.

 

このタイミングでキャッチャーの方を向いてしまうと‘身体が開いた’状態になり,肩や肘に牽引のストレスがかかりやすくなります.

さらにこのタイミングで身体が開くと,球速も落ちる事が例として確認されています.

 

次はそこに至るまでの肘の位置です.

コッキング終了までに肘が上がりすぎないことが大事です.

 

野球 投球フォーム ピッチング
右肘が肩より下

 

このフェイズで肘が上がりすぎると,胸郭出口症候群になるリスクがあります.

TOSと略されたりしますが,肩こりのような症状や腕の痺れ,筋力低下がその症状です.

腕全体の痺れやだるさがあったりする人は要注意です.

 

さらに肩峰下部にもストレスがかかりやすい肢位であり,肩の炎症を引き起こすこともあります.

 

 さらに下の図で説明される投球側の肘の引き過ぎにも注意しましょう.

投球 野球 ピッチング フォーム
肘を後ろに引いているように見えるが,右肩と左肩の延長線に肘があり,身体の後ろ側には引いていない.

フォームを大きくしようとして,肘を肩から後ろに引いている選手を見かけますが,

肘を身体の面より後ろに引き過ぎると,肩前方の組織が少しずつ弛緩して Internal Impingement の原因となります.

インターナルインピンジメント 野球肩
インターナルインピンジメントの模式図

肘を後ろに引くのではなく,体幹を回旋することでフォームを大きくしましょう.

 

 

続いて,Accelerationのフェイズです.

 

気を付けるポイントは,上記パフォーマンスの内容と同様なのですが,追加する部分は  ‘肩甲骨の位置’  です.

 身体と腕の位置が見た目上同じでも,肩甲骨の位置によって肩関節にかかる負担は大きく変わります.

 

姿勢が悪い事や,背中の筋機能の低下,胸の筋肉が縮む事などで肩甲骨が前外側に傾くと相対的に肩関節が水平外転位になります.

投球フォーム 野球
正しい位置の肩甲骨
野球肩 肩甲骨 フォーム
肩甲骨が前外側に傾いている

図の赤い線腕の骨の角度に注目してください.

肩甲骨が正常な位置だと,腕を身体の真横にあげても肩甲骨面と上腕骨の角度は30°程度です.

 

背中が猫背のように丸くなると,肩甲骨面と上腕骨の角度が大きくなります.

 

この状態では上記のImpingementを誘発し,Accelerationの強い力が,腱板や関節唇に発生し野球肩の原因ともなります.

このような状態の場合,

  • 上部胸椎の柔軟性向上
  • 上部背筋の筋機能促進
  • 小胸筋の柔軟性確保

などを行うと良いでしょう.

 

肘の高さも影響します.

「肘を下げるな」とよく言われますが,肘を下げると解剖学的に肩の外旋可動域が低下しやすいため,肘のストレスになりがちなのです.

しかし,コッキングでも述べたように ‘肘下がり’ が悪いと言って肘を挙げればよいという訳ではありません.

基本的には左右の肩の延長線が正しい位置です.

 

オーバー・サイド・アンダースローでも必要な可動域は違います.

 

各投球フォームで違うのは身体の【軸】です.

投球フォーム オーバースロー
オーバースロー
ピッチングフォーム サイドスロー
サイドスロー
野球 フォーム アンダースロー
アンダースロー

それぞれ骨盤の角度も影響しますが,肘の位置はほぼ左右の肩を結んだ延長線上にあります.

体幹の軸をどのように傾けるかが,投げ方に違いを与えています.

 

サイドスローになると重力の影響を最も受けやすい方向になるので,肩の外旋可動域を確保しないと肘の負担も大きくなると考えられます.

 

全体として重要な事は肩は水平外転によるストレスが大きく,肘は外反によるストレスが大きい場合にそれぞれ痛みに繋がります.

これは明らかに投球フォームに起因します.

肩を外旋するタイミングを早くして充分に外旋出来れば,肩関節の下部組織の伸張ストレスへと変換出来ます.肩の前ではなく【脇の下】が伸びるイメージです.

さらに肘の外反ストレスも小さくなりほとんどが伸展に対する応力になるため内側靭帯の損傷や外側の骨に対する障害も減弱出来る可能性が大きいです.

 

おおよそここまでが,肩や肘の痛みの予防や改善に考えなくてはならないフォームです.

 

アクセラレーション後期やリリースの部分は球速アップと同様のフォームを意識してください.

 

フォーム修正の注意として,タオルを使ったシャドウピッチングを良く見ますが,バイオメカニクスから捉えると全く違う動作になってしまう可能性がある事と,ステップ脚の使い方でもパフォーマンスが低下する可能性があるためタオルを使ったシャドウは投球フォームの練習にはならないどころか悪影響を与える可能性があるのでおススメ出来ません.

 

アスリートのためのリハビリテーションとは?? 

投球フォームの具体例


  • 大谷 翔平 選手
大谷翔平 ピッチング フォーム
twitter;FOX Sports West より

左足が着地する直前まで右膝が内側を向かず,

右股関節を外旋することで骨盤の左回転する力を生み出している.

左足着地まで,背番号はしっかり一塁側に向いており,身体の回旋するタイミングもよい.

 

しかし左足が着地したタイミングで,右前腕が上に挙がっていない.

骨盤・体幹の急速な回転から生み出される力により,

右腕の早急な外旋⇒内旋の角加速度が発生し,右肘と右肩に強いストレスが生じるフォームになっている.

 

 

ジョーダン・ヒックス選手

2018レギュラーシーズンで最速をマークしている,

私が現状もっともパフォーマンス面で良いフォームと考えている選手の一人です.

 

最速をマークした球種は,【シンカー】

この時のヒックス選手のグリップは,2シームだったそうです.

 

股関節始動で骨盤の前方移動と回旋が生まれています.

何より注目すべきは,左足着地寸前から始まる爆発的な骨盤の回旋.

これが,105マイルという球速を生み出している原点です.

 

さらに左足着地時の写真です.

骨盤の向きと胸の向きにギャップが発生しており,

このギャップも骨盤の回旋により生み出された力が保持されています.

 

ジョーダン・ヒックス選手は2019年6月にトミー・ジョン手術を受けました.

至る原因について推察したいと思います.

 

ヒックス選手のフォームで注目する瞬間はステップ脚が地面に着いた瞬間です.

 

ヒックス 投球フォーム ピッチング

ボールを持った手が真っ直ぐ上を向いていません.

上述したように,このタイミングからリリースまでの短い時間で,肩の外旋→内旋を強制されるために,肘の内側や肩の前方部分に強いストレスが生じます.

 

これがヒックス選手が手術に至った理由の一つだと考えられます.

 

 

必要な関節可動域


ここからは投球に必要な関節可動域(ROM)を考えます.

一般的にも,投球側の肩関節‘内旋’可動域が小さくなると,肩や肘の痛みが生じやすいと言われます.

 

学童期から,投球やバレーボールなどオーバーヘッド動作を行う競技を継続していると,球側の肩関節可動域は,外旋側にシフトします.

(外旋可動域が大きくなり,内旋可動域が小さくなる)

 

つまり肩関節の内旋は小さくなるため,学童期からのケアが必要になります.

また,近年の報告では,肩関節の外旋可動域が小さくなると,肘の痛みが生じやすい事が分かっています.

 

肩関節の可動域の是正が野球肩や野球肘に重要であるのは間違いありません.

そして,治療者やトレーナーに重要なのは,それが‘なぜ’か?? です.

今の現場では, ‘なぜ’を考えず,「○○だから●●しなさい」に終始しています.

 

これが,思考力を養えず総合的な判断が出来なくなり,科学的に物事を観えなくしています.

 

考察すると,

肩関節‘外旋’制限があるという事は,投球時の骨盤・体幹回旋時,上腕の並進運動で生じる外旋トルクで受動的に充分にレイバックが出来ず,肘関節外反トルクが発生.

肘関節の内側に牽引ストレスや,外側での骨同士の衝突が起きます.

サイドスローは重力方向の一致により一番ストレスが増大するため,サイドスローの選手はより外旋可動域を保つケアが必要です.

 

‘内旋’制限については,肩後方から下部組織の伸張性低下を表し,骨頭の関節内運動が制限されます.

特に上腕骨頭の上方移動が強制されると,結節の通り道が狭くなり障害につながります.

 

股関節の可動域も腰痛(分離症)の予防や球速アップに関係があります.

股関節伸展可動域が小さいと腰椎の伸展が強制され,椎間関節部のストレスから分離症を引き起こしがちです.

さらにステップ側股関節の内旋可動域が小さいと骨盤を充分に横回転させられないため,脚部で生み出した力が上半身に伝わらず,球速を制限してしまいます.

 

筋肉を大きくするだけではない球速のためのトレーニング→Sept.トレーニング

 

投球時の身体の痛みには→整体メニュー


執筆継続中・・・2026年3月更新


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【投球フォームを科学する】

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コメント: 52
  • #1

    タカ (土曜日, 30 3月 2019 07:45)

    右足の蹴り股関節の捻りについてなのですがセットポジションから
    足上げるときに両足の股関節を
    内旋させてから外旋させた方が
    股関節の可動域と大きなストライドを取れると思うのですがどうでしょっか?

  • #2

    Sept Conditioning Lab. (日曜日, 31 3月 2019 16:50)

    タカさん
    コメントありがとうございます。
    その通りです、右股関節を内旋→外旋の方が、ストレッチ-ショートニングを利用し筋発揮も大きくなりますから、より骨盤を軸回転させるパワーが生まれます。
    左股関節に関しては、回旋によるパワーを生み出す機会はないので、そこまで意識する必要はないかと思われます。

  • #3

    タカ (火曜日, 02 4月 2019 18:11)

    セットポジションから
    軸足の内旋から外旋をしていき
    その後
    どのタイミングで
    トリプルエクステンションによる
    素早い体重移動は行いますか?

  • #4

    Sept Conditioning Lab. (火曜日, 02 4月 2019 20:05)

    各関節の‘伸展’する力は、左足が着く直前です。
    上の大谷選手の画像で言うと、左爪先が左下腿の左側に現れるタイミングです。
    この時、股関節は外旋と伸展が同時に発生しています。

  • #5

    Sept Conditioning Lab. (火曜日, 02 4月 2019 20:08)

    ‘右’股関節は、外旋と伸展が…
    でした。失礼しました。

  • #6

    未経験親のお願い (火曜日, 09 4月 2019 12:36)

    子どもが野球をしたいと言ったので、子供のころキャッチボールしかしたことのない私は、ネットで調べ始めました。けがをさせたくない、との思いから、ただ速い球を投げるためのサイトではなく、人間の体を意識した負担のない投げ方ということでこちらのサイトにたどり着きました。
    よいサイトを見つけたと喜んでいますが、「むずかしすぎる」というのが野球未経験の親の正直な感想です。
    もし可能であれば、一連の流れを(要所での分割ではなく)、正面(打者側)から、後ろから、真横(3塁、1塁側)から、真上から、をフィギュアのスロー動画で作っていただけませんでしょうか?
    現在真横(3塁側から見た)のフィニッシュの直前までの動画がありますが、ぜひフィニッシュも入れて作って頂ければたすかります。

  • #7

    Sept. Conditioning Lab. (火曜日, 09 4月 2019 14:08)

    未経験者親のお願い さん
    貴重なご意見ありがとうございます。
    拙い文章で申し訳ありません。
    視覚的に表現出来るのが一番なのですが、3次元動画を作成するのはコストが掛かりまして実現出来ていないのが現状です。
    良いものにしたい想いはありますので、もうしばらくお待ち頂きますようお願いします。

  • #8

    未経験者親 (火曜日, 09 4月 2019 19:33)

    ご検討ありがとうございます。
    野球経験者であれば、説明文に「おおそうなのか」とガテンすると思います。
    何分未経験者で「こういうことなのかな」と想像に頼る場面がいくつかありましたもので、実際の動きで確認できたら、と思って意見を述べさせてもらいました。
    そうですか、コストが発生するのですね。それでは無理は言えません。
    フィギュアを動かすソフトを先生がお持ちで、しかも横から見た投球フォームがすでにファイルとして保存されている、と勝手に思い込んでしまいました。
    ただ単に、動きを見る方向をソフトに指示すれば、あとはソフトがやってくれるので、それを張り付ければOK、と単純に考えてしまったのです。
    ご多忙と思いますし、時間もコストも貴重です。
    こういうサイトにたどりつけただけでも収穫でした。
    ご返信、ありがとうございました。

  • #9

    手羽先 (火曜日, 23 4月 2019 19:16)

    お世話になります。
    偶然に、検索で 鈴木様の詳細で興味深いブログを拝見致しました。
    投球動作について、物理的な調査を行っています。
    お世話になっているクリニックの院長先生にも、意見と問い合わせをした所です。

    ボールに与えられる力の説明で「全身にかかる重力」とは、体重の事ですか?
    その他幾つかお伺いしたいのですが、メールをお送りしても宜しいでしょうか?

  • #10

    Sept Conditioning Lab.鈴木 (火曜日, 23 4月 2019 22:40)

    手羽先 さん
    コメントありがとうございます。

    厳密に言えば、質量と重力加速度ですが、体重と考えて頂いても大丈夫です。

    沢山の意見をお聞きしたいので、連絡お待ちしております。

  • #11

    ヒロ (水曜日, 08 5月 2019 18:33)

    投げる時
    プレートを蹴りなさいと
    よく聞くのですが
    実際は
    プレートは軸足で
    押すのが正しいですか?
    それとどうしたら
    軸足の押し込み(蹴り込み)を
    強く出来ますか?
    出来れば練習方法も
    知りたいです
    すみませんがよろしくお願いします

  • #12

    Sept Conditioning Lab. (木曜日, 09 5月 2019 10:46)

    ヒロさん

    コメントありがとうございます。
    プレートを‘蹴る’事も間違いではありません。
    個人個人でイメージの仕方も違うので言葉だけでは難しい事もあります。

    ただ、股関節を‘捻る’意識と膝を伸ばすタイミングについての考え方は必要です。

    股関節の回旋や外転、伸展のトレーニングが良いと思われますが、
    フォームを確認してからではないと、具体的にアドバイスする事は難しいです。

  • #13

    ヒロ (水曜日, 05 6月 2019 18:51)

    わかりました
    ありがとうございます
    それと少し聞きたい事ありまして
    セットポジションから足を上げて
    外旋しながら右足を押し込むと
    膝が2塁方向に向くのですが
    これは問題ありませんか?

  • #14

    Sept. Conditioning Lab. (土曜日, 08 6月 2019 18:20)

    ヒロ さん

    大谷選手とヒックス選手の投球を確認して頂きたいのですが,
    股関節の回旋は,骨盤の回転として現れます.
    このため,右膝は左足着地直前まで3塁側を向いているのが正しい状態です.

    セットポジションから左足を挙げる

    右股関節の内旋=骨盤が右回転

    股関節の外旋+外転=骨盤が左回転+ホームベース方向へ移動

    左足着地直前に股関節の外旋+外転+伸展

    運動学のCKCに類する運動ですので,接地していない骨盤や上半身が’動く’状態になります.

  • #15

    トシ (金曜日, 23 8月 2019 23:27)

    初めまして
    腕の振りについて聞きたいのですが
    投げる時上半身は脱力して
    下半身の体重移動と股関節の回転で
    腕は勝手に振れてオーバースローで投げれるのですが
    もっと速いボールを投げるには
    腕に力(速く振る)を入れた方が
    良いのですか?
    それとも腕の意識は
    しなくても大丈夫ですか?


    すみませんがよろしくお願いします

  • #16

    Sept. Conditioning Lab. (土曜日, 24 8月 2019 10:12)

    トシさん

    コメントありがとうございます.

    球速の大部分は,下肢から股関節,体幹での‘力’で決定されますが,
    腕の力でも球速を上げる事が出来ますので,球速を求める場合は腕の力も意識します.

    詳しく書きますと,
    投球速度における各関節の貢献度を調べた研究では,
    上部体幹の捻る速度と肘関節を伸ばす速度が投球スピードとの関わりが大きいと示したものもあります.
    但しこの研究では,肘が伸びる運動は身体を捻る動きから生まれた物で肘を伸ばす‘力’を入れた物ではないと推察されていますので,【上部体幹を捻る意識】がまず必要と考えます.

    あと,腕の力では,肩関節を内側に捻る力と肘と手首の動きですが,
    肩を捻る動きを強調すると故障のリスクも上昇するため,
    積極的には勧められず,必要であれば球数を制限しなくではならないでしょう.

    球速関与で言うと,この章の’肘から先の返し’を意識してもらうと良いでしょう.
    あとは,指で弾く動作,‘弾く’イメージは難しいですが,
    親指と,人指し指・中指でつぶして弾く形になります.

    文章化だけでは伝わりにくいところもあるかと思いますので,
    時間を造ってまたアップデート致します.
    不明な部分はまたご質問ください.

  • #17

    トシ (土曜日, 24 8月 2019 19:06)

    上部の体幹を捻るとは
    胸骨(胸)の事ですか?

    それと良く腰を回せと聞くのですが
    腹直筋と外腹直筋で
    捻る用にした方が良いのですか?
    今はまったく捻るイメージでは
    ないのですが?

  • #18

    Sept Conditioning Lab. (日曜日, 25 8月 2019 21:52)

    トシ さん

    そうですね、胸の向きで判断も出来ますが、
    正確には‘胸椎での回旋’になります。

    腰の捻りも必要です。
    腰の捻りは脚から生まれます。
    ・軸脚の外転、外旋
    ・ステップ脚の踏ん張りによって、骨盤の並進運動を回転する力に変える
    →この腰の回転が脊椎を通して、胸椎の回転へと伝達されます。

    内外腹斜筋の働きはこの回転を助ける形になります。

  • #19

    山本 (土曜日, 05 10月 2019 19:07)

    初めまして
    質問なのですが
    大谷翔平選手や
    ヒックス選手のフォームを見てると
    左足がつく直前に軸足の股関節が
    内旋されてる用に見えるのですが
    (特に大谷選手が)これは
    外旋と伸展によって内旋されてるように見えるのですか?
    それとも実際内旋してるのですか?
    よろしくお願いします

  • #20

    Sept Conditioning Lab. (日曜日, 06 10月 2019 08:56)

    山本 さん

    コメントありがとうございます。
    左足が着地するわずか手前から、実際内旋しています。

    股関節伸展のパワーを前方方向へ是正する働きもありますが、股関節の可動域の影響で、一連の動きによる受動的な動きでもあります。
    なので、内旋によるパワーはあまり影響しない物だと考えています。

  • #21

    ひろき (木曜日, 05 3月 2020 07:53)

    お世話になります
    少し前にコーチに
    体重移動して
    前足を着いた瞬間に軸足を
    (軸足の膝)鋭く速く回して投げなさいと教えて貰ったのですが
    これは正しいのですか?
    試しにやっては見ましたが
    感覚的には腕が勝手に着いてきて
    ボールのスピードも
    下がってないです
    すみませんがよろしくお願いします

  • #22

    Sept Conditioning Lab.鈴木 (木曜日, 05 3月 2020 10:59)

    ひろき さん

    コメントありがとうございます.
    >前足を着いた瞬間に軸足を(軸足の膝)鋭く速く回して投げなさい.

    ですが,
    バイオメカニクスから考えると前のステップ脚が着くタイミングでは,軸脚を回す事が球速に寄与出来る事はほとんどありません.
    地面から離れた時点で軸脚からパワーを生む事は出来ないからです.MLBで球速の大きい投手の中にも軸足が地面から離れてステップする選手がいます.ステップ脚が着地する時点で軸脚の仕事は完了しているという事です.

    ここからは各個人のイメージも含みますが,
    『軸足の膝を回す』意識が,
    ・軸足側の骨盤を前方に回転させている
    ・ステップ脚と軸足の膝が近づき『ステップ脚の安定』と『ステップ側股関節内旋』に伴う骨盤の水平方向への回転が促進されている

    事が考えられますので,上記の指導は選手個人のイメージと合えば問題ないかと思われます.

    ただし,軸足の膝を内側に回すイメージが強過ぎると,膝の関節で【大腿骨】に対して【脛骨】の外旋可動域が大きく(膝関節が緩く)なり膝の故障につながる可能性があります.
    プロのスカウトが来た選手で,軸足側の膝の故障で選手生命を断念した方もいますので注意は必要と考えます.

  • #23

    トシ (木曜日, 07 5月 2020 15:40)

    初めまして、質問なのですが、プロ野球のオリックス山岡投手や千賀投手は伝わりにくかもしれませんが、投球動作で くの字 に足をしていると思いますが、あれは良い動作なのですか?
    千賀投手は昨年最速161キロを計測しましたが、今まで公式で160キロを計測した日本人投手はほぼみんな身長190cm以上で、この中からしては千賀投手は187cmと小さいかもしれませんが、それでもかなり高身長です。アニメメジャーの主人公茂野吾郎は身長180cmで最速102マイル=約164km/hを記録していますがそのようなことは物理的に可能なのでしょうか?長々とすみません。

  • #24

    Sept. Conditioning Lab.鈴木 (木曜日, 07 5月 2020 16:57)

    トシ さん

    コメントありがとうございます.
    山岡投手と千賀投手のお話について,ステップする脚の動作の事で間違いないでしょうか?
    ステップする脚が『くの字』になるのは,股関節を大きく内旋している状態です.
    この動きが球速に関与する力は少ないと考えますが,ロスをする訳では無いのでその動作が『悪い』訳ではないです.
    但し,股関節は内旋と屈曲が強制されると痛みが生じる可能性もあるので,ステップする脚の股関節に何らかの症状がある場合は注意すべきです.

    次に球速のお話ですが,伸長が高い方が球速について有利な事は間違いありません.
    コラムにあるジョーダン・ヒックス選手は188cmで169㎞/hを記録しています.
    腕の長さの影響もあるので,そのような身体的特徴も加味して考えると180cmの人が164㎞/hを出すのは不可能ではないと思われます.

  • #25

    トシ (木曜日, 07 5月 2020 20:48)

    ♯24 分かりました!ありがとうございます。夢が持てますね。もう二つ質問したいのですが、一つ目に<ワインドアップ>というものは意味があるのですか?二つ目にこれは路線が変わってくるかもしれませんが、フォーク、スプリットなどは手や体に負担がかかりやすいとよく聞きますが、他に体の負担になる球種はあるのですか?

  • #26

    Sept Conditioning Lab.鈴木 (木曜日, 07 5月 2020 22:38)

    トシ さん
    着眼点が素晴らしいですね。
    〈ワインドアップ〉する方が良い点は【コッキング期のバランス向上】があります。
    動作中に視界の流れがある方がバランスを取りやすいので投球の準備段階としてはメリットがあると考えます。
    セットアップでもバランスと軸脚股関節の内旋が行えるのであればワインドアップ決して必要ではないかもしれません。
    〈フォーク、スプリット〉についてですが、調べた範囲では、肩や肘の故障が増える事は無さそうです。(これを検証する事自体がかなり難しそうですが)
    最近の研究では、ストレートとカーブでは肘から手首にかけての筋肉の使い方はほとんど変わらない事が示されていますのでしっかりした投げ方をしていれば変化球が問題にはならないと思います。
    付け加えるとメジャーリーグの投手では、球速に関係なくストレートを多投する方が肘の故障リスクになるという報告もありました。

  • #27

    初球から行きます (金曜日, 08 5月 2020 19:54)

    自分は左投げなのですが、よく<クロスファイヤー>がきいているなどと言いますが、クロスファイヤーは、ストライクゾーンへ斜めに投げ込み打ちにくくなることだと思うのですが、角度が斜めの分直線距離が長くなり逆にスピードが遅く感じたりとデメリットはありますか?もう一つ、自分は制球が得意でないのですが、外角や内角はどこを特に調整すれば良いのですが。長々とわかりにくい文章ですみません。

  • #28

    Sept Conditioning Lab.鈴木 (日曜日, 10 5月 2020 14:14)

    初球から行きます さん
    コメントありがとうございます.

    【クロスファイア】についてですが,プレートの外側にセットして内角をえぐるよう投球したとすると,リリースポイントからホームベースをかすめるまでの距離の差は3センチ程です.大きく見積もっても5㎝以内だと考えられますので特にデメリットとまでは言えないと思います.
    シュート回転系のボールを扱えるのであれば内角を大きくえぐるフロントドアとなりますので有効だと考えます.

    【制球】については個人差があるため大変難しいです.
    コッキングで軸脚が安定しない事やステップ脚の距離が一定でない事などから,もちろん体幹や腕,手指の使い方でも変わります.
    個人のフォームや意識から問題点を修正する事になります.

  • #29

    トシ (木曜日, 28 5月 2020 15:24)

    先日コメントを書いたものです。この記事を読み、コロナの自粛期間で中々練習ができる機会がなくいつもガレージでこの記事を見ながらテニスボールを投げてフォーム確認を行っていました。久しぶりに普通の野球ボールでキャッチボールを行うと以前よりも逆にノビのない遅い球でコントロールも定まりませんでした。この記事を見てフォーム修正を行ったり、他の記事等も見て野球において重要な筋肉を筋トレしたり、しっかり運動は行ってきました。何故うまくいかなかったのでしょうか?フォームの意識しすぎや急なフォーム変更、コントロール等の意識しすぎで筋肉を使い切れていない、ボールで出る位置が違う、実際のボールを使っていなく感覚がずれているなどと理由はあると思いますか?自分のせいだとはわかっていますが何が悪かったのかわからなくモヤモヤしています。長々とすみません。

  • #30

    Sept Conditioning Lab.鈴木 (金曜日, 29 5月 2020 17:46)

    トシ さん

    ここで追究するのは難しいですが,
    ①【運動学習の過程】による一時的なパフォーマンスの低下
    ②【イメージと実際の運動の誤差(文章的なフォームの捉え方と動きの差)】
    が原因かと思われます.

    ①の場合,運動を無意識に行える段階まで反復して学習する事でパフォーマンスが向上しますが,その段階に昇華するまでは,各部位を協調的に運動しないためパフォーマンスは低下します.
    ②の場合は自身のイメージと実際の運動に『ズレ』があるという事になります.
    「自身ではフォームが修正されている」と感覚的に捉えていても,詳細を見直すと「タイミングや各関節の角度がメカニクスとしてベストな状態ではない」と言う事です.
    イメージを修正できない限り,パフォーマンスの向上は難しいどころかケガの元にもなります.

    ①は反復する事で改善されます.
    ②の問題であれば実際のフォームを確認出来ない限りはコメントが難しいです.
    短時間で結果を求める場合はオンラインでのフォームチェックをご利用ください.

  • #31

    おっ (金曜日, 03 7月 2020 17:49)

    二段モーションは球速やコントロールの向上につながるのですか?また体型や柔軟性の違いで理想のフォームが違うことはありますか?例えば体格が痩せ形と肥満型では脚の理想の位置が違うなど。
    もう一つ、他の記事で見たのですけど、体重が重い方が有利なのですよね?

  • #32

    Sept Conditioning Lab. 鈴木 (月曜日, 06 7月 2020 16:34)

    おっ さん 

    コメントありがとうございます。
    2段モーションについては私見ですが、球速やコントロールに直接影響する訳ではないと考えます。
    個々での投げやすさなどフィーリングや打者との駆け引きの要素が大きいかと思います。

    体型や柔軟性についてですが、基本的には理想と考えられるフォームは同じです。
    ただし、柔軟性が低下していると肩や肘、腰や膝に障害が発生する事があるため適切な柔軟性は必要です。

    最後に体重についてですが、原則は体重のある方が球速は大きく出来るでしょう。
    しかし、その重量分を速く動かす筋パワーも必要になります。さらに各関節にかかるストレスも大きくなるので投球障害に繋がるリスクも大きくなります。ですので必ずしも有利かと言うと難しい問題でもあります。
    股関節や体幹部の筋が充実している事に加えて上肢の質量をあまり大きくしないことが重要と考えています。


  • #33

    阿久津 (水曜日, 22 7月 2020 18:05)

    先日二十歳で西武の平良海馬投手は160km/hを出しましたが、彼は大谷翔平選手などのような超長身なわけではないながらノビのある球をなげています。彼の投球フォームは理想的な投球フォームですか?

  • #34

    Sept. Conditioning Lab.鈴木 (月曜日, 03 8月 2020 17:23)

    阿久津 さん

    コメントありがとうございます.
    平良海馬投手ですが,決して高身長とは言えませんが,球速は素晴らしいですね.
    平良投手のポイントとしては,100kgに近い体重を素早く運動させる事が出来るパワーにあると考えます.
    股関節周り,お尻の筋肉がとても発達しています.
    フォームから考察しても,ステップする脚が着地する直前まで軸脚の膝が3塁側を向き,股関節の働きで骨盤を前方に押し出し,水平方向へ回転させている様子が観て取れます.
    ステップ脚の膝が前方に出て曲がったり,左右へのブレもほとんどありません.
    軸脚股関節をしっかり使ってパワーを生み出し,さらにステップ脚の股関節でその力をロスする事なく骨盤→上半身→上肢に伝えられているという事です.

    理想と言うと難しいですが,コッキングが完了するタイミングがやや遅く,肘や肩前方にストレスがかかるフォームになっています.
    向こう5〜10年にどちらかの故障が発生する可能性はあると思われます.

  • #35

    マードック (火曜日, 11 8月 2020 22:25)

    自分は現高1で、何度かこの記事に質問を書いています。話の路線がズレているかもしれませんが、自分は現在179cm83kgでこの記事などで正しいフォームを追求して日々野球をしているのですが、それほど球速やコントロール等もありません。もしも本当に理想のフォームで柔軟等がありましたら、自分は140km以上を投げれるようになりますか?もう一つ、年と取るにつれ球速が上がるのは単純に筋肉量が比例するためなのですか?それとも骨格の問題やフォームの良さによる違いですか?それとも他に理由はありますか?

  • #36

    Sept. Conditioning Lab.鈴木 (水曜日, 12 8月 2020 13:12)

    マードック さん

    コメントありがとうございます.
    まず一般論ですが,このコラムでの内容はフォームの基礎になります.
    球速を上げるためには,股関節の回旋や体幹の回旋で運動エネルギーを生み出すための筋パワーが必要で,これにはトレーニングが不可欠です.
    もう一つは,ボディイメージの要素です.自身が『こういうフォームで投げている』とイメージしていても実際のフォームとのズレがある事が多く,そのズレでパワーの伝達にロスがあるパターンです.
    このために,当方でリモートのトレーニングや実際のフォームチェックを行っている訳です.

    マードックさんに関して言えば,体格面では非常に恵まれているようですね,
    筋量や体脂肪率の測定も必要ですが,しっかりした筋パワー向上のトレーニングが出来れば140km/hも可能だと思います.

    年齢による球速アップに関しては,筋実質の充実などフィジカルの向上や運動学習(ボディイメージ・神経筋制御の改善など)を通したフォームの成熟などが考えられます.

  • #37

    (水曜日, 04 11月 2020 20:48)

    どうしてもサイドスローで投げてしまいます。回転もシュートしてしまいます。どうすれば治りますか。サイドスローによって球速や制球力は落ちますか?

  • #38

    Sept. Conditioning Lab.鈴木 (木曜日, 05 11月 2020 13:07)

    あ さん
    コメントありがとうございます.
    サイドアームは肩外旋の可動域がしっかり確保されていないと肘や肩の故障に繋がる可能性は大きい考えます.
    しかし,球速や制球力についてはサイドだからと言って低下する物ではないでしょう.
    ランディ・ジョンソンは恵まれた体格もありますが,サイドアームで殿堂入りを達成しています.

    リストの返す方向の問題でナチュラルなシュートは致し方ないですが,持ち球とすれば決してネガティブな問題ではないです.

    オーバーハンドのように,腕のスイングプレーンを少しでも挙げるとすれば,骨盤から体幹でのコントロールが必要になります.
    股関節の使い方や上部体幹の回旋・側屈の機能性が重要です.
    トレーニング方法など詳細はDMでお答えしております.

  • #39

    ロキ (木曜日, 12 11月 2020 18:57)

    話が逸れてしまっていると思いますが、どんな競技においても上手い人、または習得の速い人たちであろうプロの選手たちは、みんながみんな、このような正しいフォームを知っていたわけでもないと思うのです。自分はフォームを治そうとしていますが、体をうまく使えず、なかなか治りません。このような取得の速い人と遅い人では何が違うのでしょうか?

  • #40

    Sept. Conditioning Lab.鈴木 (月曜日, 16 11月 2020 12:41)

    ロキさん コメントありがとうございます
    その通りです.習得の差は必ずあります.その習得の差を無くす事が私自身取り組んでいる命題であると考えています.
    今まではある種【センス】のような物が必要だったスポーツの発達に,科学の目線から『何人でもパフォーマンスを獲得出来る環境を作りたい』との想いもこのコラムの趣旨です.

    ここからは私見が主ですが,過去にはこのようにバイオメカニクスからフォームを考えたり,トレーニング科学が発展していない環境でもパフォーマンスの良い選手はいました.このような選手は先天的な要素があると考えています.

    2歳程の子供がとても良いバッティングやゴルフスイングをしているのを目にします.
    年齢を鑑みても教わって出来るものではありませんから,何かを観て模倣しただけでパフォーマンスの良いフォームを獲得出来るという方略(ここでは【身体操作】とします)が先天的に備わっていると考えられます.さらに手首の使い方などより細部の効率的な運動が獲得されているのではと思われます.
    今まで活躍していた選手はその要素を持っていた人が多いのではないかと言う事です.
    ロキさんの言う通り,同じ努力量でも獲得できるパフォーマンスは違うのはこの理由と考えています.

    後天的な要素では【経験】です.
    思い描くフォームを獲得する為には,基本的には身体を操作する能力をいかに向上させるかが重要になります.フィードフォワードやフィードバックがより正確に機能すると,ボディイメージ・スキーマと実際の運動のズレが小さくなります.
    長期的に見てこの身体操作を獲得する為には様々な(運動だけでは無い)経験が大事です.野球だけでは無い様々なスポーツを経験する事が,野球のパフォーマンスを向上させる可能性は大きいです.マルチスポーツはとても大事と考えており,育成機期の年代にも積極的に勧めています.

    短期的に見る場合は自分のフォームを解析してどこに上手くいかない理由があるかを考える事が必要です.
    自分が〇〇しているとイメージしていても実際は違ったり,〇〇するよう動いていると思っていても,力の入れどころが違う事もあるのです.
    【走る】フォームを考えると,自身が一番速いと思っているフォームで走っているはずですが,ほとんどの人はベストなフォームではありません.一番良いと思う運動とパフォーマンスが一致しない例です.
    このコラムで言うとパワーを作り出す右股関節の使い方については理解していても実際の運動に表出するのは難しい所です.
    水平成分の回転する力を生み出すのに股関節から動き出すと言う運動が文章を読んでイメージは出来ても実際にその動きが出来ていない事が多いのです.
    このような【動き】を獲得するためにトレーニングがあります.
    動きを実現するためには段階的に,一つ一つマイクロな動きを獲得してから,全体的なフォームを改善させます.

    説明が難しい部分があり蛇足にもなりますが
    課題としては,
    ・イメージと自身の動きに誤差がある
    ・マイクロな動きが効率的に繋がっていない所かと考えられます.
    動作をスローで各方向から撮影して見直すと何か見つけれる事があるかも知れません.

  • #41

    斎藤 (日曜日, 12 6月 2022 23:27)

    初めまして

    軸足で強くプレートの押し込みと
    前足の突っ張りで身体は勝手に回転して
    腕も勝手についてくるのですが
    勝手にサイドスローになって
    指にかかる感覚がなくなったのですが
    どうしたらオーバースローで
    指にかかる感覚になりますか?
    今の対策は軸足を強く押す前に
    グローブの位置を高く上げて
    前足がついてから
    グローブを下に強く引く感覚でしたら
    オーバースローにはなるのですが

  • #42

    Sept. (水曜日, 15 6月 2022 19:46)

    斉藤 さん

    コメントありがとうございます.

    水平面での回転を意識するとメカニクス上サイドスローになりやすいです.
    スリークォーターやオーバースローにするためには,体の軸を一塁側に傾ける必要があります.

    現在のフォームを拝見していないのと,それぞれ個人個人でイメージが違いますのでアドバイスも難しいのですが,
    個人的には『リードレッグが地面につく前に体を反らせておく』イメージだと上から腕が振りやすいと感じます.
    一度試してください.

  • #43

    たなか (日曜日, 19 6月 2022 18:43)

    こんばんは
    コーチにトリプルエクステンションの
    練習して
    もと早く体重移動を早くしなよと
    教えて貰ったのですが
    トリプルエクステンションは
    投球する時に自分で意識してするものなんですか?
    自分の考えはプレートに軸足かけて
    軸足を外転しながら
    力抜いて体重移動しながら
    前足がつく寸前にプレートを強く早く
    外転しながらプレートを押し込める感覚が
    あれば股関節、膝、足首勝手に
    伸ばされてトリプルエクステンションの形になり外転させてるので
    プレートを押し込む足の膝は捕手方向に
    向いて上半身の捻転差がでると
    思ってますが
    トリプルエクステンションの練習は
    するべきなんでしょうか?
    よろしくお願いします

  • #44

    Sept. (木曜日, 23 6月 2022 16:30)

    たなか さん

    コメントありがとうございます.

    このコラムで引用しているツイートを確認しても分かる通り
    軸足での床反力のベクトルは三塁側に向いています.
    トリプルエクステンションが主成分だとすると床反力はホームベース側に向かうはずです.
    この事から軸足でのパワーの生産はトリプルエクステンションが主ではないと思われます.
    やはり軸足股関節での外旋,外転,伸展が主でしょう.

    但し,膝の伸展や足関節の底屈が必要無いわけではありません.
    パワーを生み出す成分にはなっています.

    意識とはそれぞれ個人で違うため【意識すべきか】は議論の余地があります.
    意識すれば球速が伸びるなら意識すべきですし,意識しても球速やコントロールに影響がないなら意識する必要はないでしょう.

    先日山本投手が『フォームに正解はない』とTVで話していました.
    これもその通りで個人個人で合う合わないもありますから色々試してみるのも良い事です.
    しかし『フォームには不正解はある』と考えています.
    悪いフォームであれば,身体に故障は生じますし,パフォーマンスも限界があります.

    自分ではこれが良いと思っていても,実際は最大のパフォーマンスでないことはよくあります.
    実際の球速やプルダウンとの球速差を測定して,パフォーマンスが良い方の意識が合っているということですので,色々試してから考えると良いかと思います.

  • #45

    よしの (金曜日, 30 12月 2022 09:29)

    はじめまして。中学生野球の指導者です。
    ピッチングフォームはそれぞれに合う合わないがある中、共通して外してはいけないポイントがあると考えて指導しています。
    上半身の開きが早くなりすぎてはいけないと思いますが、具体的にどのタイミングまで胸が三塁側(右投手)を向いておくのが理想でしょうか?
    ステップ足の着地まで向いておくべきか、着地する直前には回転を始めるべきですか?

  • #46

    Sept. (水曜日, 11 1月 2023 20:10)

    よしの さん

    コメントありがとうございます
    『共通して外してはいけないポイントがある』 まさにその通りかと存じます

    タイミングとしてはどこがベストかは現状申し上げられるだけのデータがありません
    ただステップ脚が着地したタイミングで上半身が開いていると球速は小さくなるという相関はあるようです
    タイミングとして解釈しやすいのは【ステップ脚が着地した時点】での判断になるかと思います

  • #47

    右サイドアーム (土曜日, 30 3月 2024 12:16)

    何度も繰り返し拝読させていただいています。初めて質問させていただきます。
    肘から先、主に手首の動きのメカニクス(トップからリリースまで)特にスナップ前後を教えてください。それと本文中に左足が着地時に右手は上を…とありますが頭に近い方(右耳付近)がコントロールが安定し旋回速度が上がるため球速も上がるような解説をYouTubeなどでみたのですが肘は直角に近い方が良いですか?
    今後とも参考にさせていただきますので解答よろしくお願いいたします。

  • #48

    Sept. (火曜日, 02 4月 2024 14:41)

    右サイドアーム さん

    コメントありがとうございます.
    肘から先については,中盤のXを引用した部分がわかりやすいかと
    思います.
    運動学的には,前腕の回内,手関節撓屈,掌屈が行われます.
    この運動はダーツのスローも同様ですので,ダーツを参考にするのもわかりよいかと.

    ステップ脚の着地時点での右手の上下は,肩関節のいちに対してという概念でしたので,肘の屈曲90°で上を向くという意味合いではありませんでした.
    確かに肘屈曲角度が大きい方が上腕骨を軸とする回旋角速度も大きくなります.
    また,肘内側への伸張ストレスは小さくなり障害リスクも低減させられるかと推察出来ます.
    ただ極端だとリリースにかけて肘伸展の角度変化が大きくなるため,コントロールが難しくなるでしょう.
    肘の屈曲角度は自身が違和感ない範囲で屈曲するのが最善かと考えます.

  • #49

    竜之介 (月曜日, 19 1月 2026 15:01)

    シャドーピッチングをお勧めしないと書いているがバトミントンのラケットを利用したシャドーピッチングはやってもいいんですか??

  • #50

    Sept. (金曜日, 23 1月 2026 18:18)

    竜之介 さん

    コメントありがとうございます.
    バドミントンのラケットを使ったシャドーの件ですが,詳しいデータがありませんので私見を述べます.
    投球とバドのスイングではメカニクスが厳密には一致しないので,投球の変わりとしてはオススメしません.
    ただし,肘が両肩のラインより下がりやすいとか,ボールの回転軸をより水平に向けたいなど目的によってはラケット利用も適応があると考えます.

  • #51

    Sota/juniorhighschool.jp (水曜日, 28 1月 2026 12:17)

    ピッチングの回転運動のとき「上半身はcの字になっているように投げろ」と言われまずが回転運動の時は上半身がどのようになっているのが理想なのでしょうか

  • #52

    Sept. (月曜日, 02 2月 2026 18:21)

    Sota/juniorhighschool.jp さん

    コメントありがとうございます.
    >回転運動のとき
    がどのタイミングか正確ではないのでアクセラレーションのフェイズとして回答します.
    山本由伸投手をイメージすると分かりやすいかと思いますが,コッキングの完了まではほとんど直立している印象を受けると思います.

    アクセラレーションでの体幹の側屈を【Cの字】と判断しています.
    オーバーハンドになればなるほど,投球側に対してグラブ側の肩が相対的に下がります.
    この角度がおおよその腕の挙上角度(投球側の肩関節外転角度)になります.
    これをCの字で作るか体幹の傾斜で作るかという問題と思いますが,本文中にあるテニスのサーブ中の画像を参照して頂くと,投球よりサーブのほうが挙上角度が大きい事が分かります.
    この瞬間,骨盤も左に傾斜しているのが分かりますね.
    この瞬間での体幹の側屈は,腕の挙上角度から骨盤の傾斜角度さらに肩甲骨の挙上と下制の左右差の角度を引いたものになります.
    そうすると体幹の側屈はかなり小さいように思われます.
    オーバーハンドで投げるには体幹の傾斜の成分の方が重要かも知れません.

    ちなみに大谷翔平選手がストレートを投げる際,腕の挙上角度は40度を下回ります.
    大きく体幹を側屈しCの字を作る事はないような気がします.
    蛇足ですがスイーパーなどは40度を少し上回り,球速を求める方が挙上角度は小さくなっている点は興味深いです.

    現在,側屈に関してバイオメカニクス上のデータがありませんので現状での私見も交えた回答です.
    渉猟しえたら加筆修正致します.

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筋膜は腰痛の原因ではない!!ただの流行である筋膜という言葉

金沢市香林坊の専門整体院が国際的トップジャーナルの医学エビデンスを元に徹底解説

【金沢の腰痛専門ケア】筋膜リリース神話の嘘を科学的に解剖する!
椎間板医学と根本改善完全マニュアル

「金沢市内で腰痛に悩み、何件もの整体院やマッサージ店に通い、『筋膜の癒着が原因』と言われて筋膜リリースを受けているけれど、結局すぐにぶり返してしまう……」

そんな深いお悩みをお持ちではありませんか?近年、ヘルスケア業界や民間資格のセミナー、SNS等において「筋膜(Myofascia / Fascia)」という言葉が爆発的なブームを迎えています。「腰痛の原因は筋膜の癒着にある」「筋膜を剥がせば劇的に改善する」といった言説は毎日のように発信されています。しかし、これらの主張は現代の国際的な医学界において、どの程度科学的根拠(エビデンス)に裏付けられているのでしょうか。

結論から申し上げます。**「筋膜が腰痛の直接的な原因である」という説、および「マッサージの手技で筋膜の癒着が剥がれる」という主張は、現代の科学的・医学的基準において明確に否定、あるいは実証不可能な神話とされています**。あなたの腰痛が良くならない本当の理由は、単なる「一時的な麻酔効果」に過ぎない筋膜リリースに時間とお金を費やし、痛みの主原因である「椎間板(ついかんばん)」や「骨格アライメント」に対して直接的なアプローチが行われていないからです。

本記事では、金沢市香林坊で多くの腰痛患者様と向き合ってきた『㐂楽鍼灸整体院金沢本院(Sept Conditioning Lab.)』が、*The Lancet*や*The New England Journal of Medicine (NEJM)*などの国際的最高峰の論文データに基づき、心理学的なアプローチを一切排除した「純粋な身体構造」「生理学的メカニズム」のみに焦点を絞って、腰痛の本質を全4パート・約10,000字の圧倒的なボリュームで徹底的に暴いていきます。

この記事の目次(全4パート構成・第1パート)

1. 金沢で腰痛が治らない人が陥る「原因の誤解」とマッサージ・筋膜の限界

金沢市の中心部、香林坊や片町周辺をはじめ、多くのオフィスや商業施設が立ち並ぶエリアでは、日々デスクワークによる長時間の座りっぱなし姿勢を強いられている方が少なくありません。また、石川県全体として自家用車の普及率が高く、移動のほとんどを車内で過ごすという「車社会」ならではの生活習慣も、腰痛を悪化させる大きな要因となっています。

腰痛を感じたとき、多くの人がまず思い浮かべるのが「腰の筋肉や筋膜が凝り固まっているから、揉みほぐしてもらおう」「筋膜リリースで癒着を剥がしてもらおう」という選択肢です。金沢市内にも、こうした「筋膜」や「トリガーポイント」へのアプローチを謳う整体院や接骨院が乱立しています。確かに、強力なマッサージを受けたり、専用の器具で筋膜をこすられたりすると、その場では腰が軽くなったような感覚を覚えるかもしれません。

【重要】トリガーポイントや筋膜への施術が必ずぶり返す理由

当院(㐂楽鍼灸整体院金沢本院)では、トリガーポイントや筋膜に特化した施術はあえて推奨していません。なぜなら、これらは腰痛の「本当の発生源(ペインジェネレーター)」ではないため、一時的に痛みが麻痺しても必ずぶり返すからです。後述する通り、これらの手技が効いたように感じるのは組織の癒着が剥がれたからではなく、中枢神経系を一時的にバグらせたことによる「生理学的錯覚」に過ぎないことが最新の臨床疫学で暴かれています。

もし、あなたがこれまでに金沢市内の整体院で「あなたの筋膜はボロボロに癒着している」などと権威的なナラティブ(説明)を受け、施術を繰り返してもすぐに元の痛みに戻ってしまうのであれば、それはアプローチしている対象が間違っているという、身体からの明確なサインです。私たちは、腰痛の根本原因を筋膜という単一のパーツではなく、脊椎の構造体そのもの、とりわけ「椎間板(ついかんばん)」と「動的な生体システム」に求めて施術を行っています。では、最新医学が指し示す腰痛の核心について、具体的なデータとともに解説していきましょう。

2. 医学的エビデンスで実証:腰が痛い本当の理由は筋膜ではなく「椎間板」にある

いわゆる「魔女の一撃」と呼ばれる激しいぎっくり腰(急性腰痛)が、本当に椎間板に由来しているのか、日本の整形外科領域における高名な文献データをご紹介します。兵藤らによる研究論文『いわゆる「ぎっくり腰」は椎間板性疼痛か』(日本腰痛学会誌, 8(1): 106–114, 2002)では、急性腰痛を発症した患者群に対して椎間板造影検査(ブロック椎間)およびMRIによる極めて詳細な追跡調査を行っています。

その結果、ぎっくり腰を発症した患者の**「全例」において、椎間板の外側を包む線維輪に放射状の断裂(亀裂や破裂)が観察されました**。また、MRI像においても、中等度の椎間板の変性(構造の傷み)がほぼ全例(94%)で確認されています。つまり、私たちが日常的に「筋膜を痛めた」と勘違いしているぎっくり腰の正体は、そのほとんどが**「椎間板の線維輪に亀裂が入った瞬間の激痛」**なのです。

当院でも、この椎間板の力学環境を整えるアプローチをメインにしていますが、寛解率は非常に大きく、椎間板こそが痛みのもとであることが臨床上も明白です。世界中の膨大な臨床試験をメタ解析しても、筋膜を腰痛の単独原因として分離・同定できた研究は一つも存在しません。国際医学界の共通認識として、特定の「痛みのパーツ」として筋膜を探し出そうとする行為自体が、科学的な的外れ(パラダイムエラー)であると結論付けられているのです。

3. 画像診断と解剖学データが示す不都合な真実:「形が悪いから痛む」という素朴な因果関係の破綻

筋膜原因説を主張する言説の多くは、「腰痛患者の筋膜を超音波エコー等で観察すると、健康な人に比べて厚くなっている(肥厚)」あるいは「滑りが悪くなっている(滑走性の低下)」という観察結果を根拠にしています。一見すると非常に筋が通っているように思えるこの論理は、医学統計学において最も初歩的なエラーである「相関関係と因果関係の混同」に陥っています。

世界で最も権威のある医学雑誌の一つである*The New England Journal of Medicine (NEJM)*や*The Lancet*に掲載された大規模な画像疫学研究(Borensteinら、Jensenらによる著名な論文)では、身体の構造的な異常や変形と、実際の痛みの有無との間には、強い相関関係が存在しないことが繰り返し実証されています。

【最高峰の医学雑誌が示す画像診断の客観的データ】

「生涯で一度も腰痛を経験したことがない、完全に健康な人々」を対象にMRIや超音波エコーで腰部を精査した驚くべき結果:

  • 30代の健康な人のうち、約50%以上に椎間板の変性や突出(ヘルニア)が認められる。
  • 50代以上になると、無症状であるにもかかわらず80%以上の人に構造的な異常(組織の肥厚、変形、摩耗)が観察される。

このデータは筋膜にも完全に当てはまります。超音波エコー技術の発展により、腰背筋膜(Thoracolumbar Fascia)の厚みや層構造をリアルタイムで測定できるようになりましたが、実際の臨床データは「腰痛がない人でも筋膜が厚いケースは無数にあり、逆に激しい腰痛に悩まされている人の筋膜が非常に薄く、綺麗な層構造を保っているケースも珍しくない」ことを示しています。つまり、画像上の筋膜の変形や肥厚は、加齢や個人の解剖学的バリエーション(個体差)に過ぎず、それを痛みの「直接の犯人」と特定することは不可能なのです。

解剖学的に見て、腰部の胸腰筋膜は非常に強固で緻密な結合組織のネットワークです。それは独立したシートではなく、広背筋、大臀筋、脊柱起立筋といったあらゆる筋肉と強固に結合し、一体化しています。高インパクトファクターの整形外科・解剖学専門誌において示されているのは、胸腰筋膜の本質的な役割は「腰椎の安定性を高めるための受動的なテンション(張力)の提供」および「身体の回転運動や力の伝達(フォース・クロージャー)」であるという点です。筋膜が局所的に「癒着」してそれが独立した痛みの発信源になるという仮説は、筋肉と筋膜がシームレスに融和して機能している生体の実態を無視した、過度に単純化された議論と言わざるを得ません。

4. 徒手療法の物理的限界:「筋膜リリース」の力学的・生理学的矛盾

金沢市内の多くの整体院やマッサージ店、民間資格のセミナーなどでは、セラピストが手や肘、あるいは金属製の専用器具(グラストンテクニックなど)を使って皮膚の上から強い圧力を加え、「硬くなった筋膜をほぐして伸ばす」「癒着を物理的に剥がす」と熱心に説明されます [cite: 22]。しかし、この「人間の手によって筋膜が物理的に変形・破断する」という現象は、生体材料力学(バイオメカニクス)の観点から完全に否定されているのが冷徹な事実です [cite: 22]。

医学専門誌『*Journal of the American Osteopathic Association*』などに掲載された生物力学研究において、人間の足底腱膜や胸腰筋膜(腰の筋膜)を実際に採取し、その硬さと引張強度を測定した非常に有名な数理モデル研究(Chaudhryら)が存在します [cite: 24, 84]。この研究では、筋膜を物理的に変形させるために一体どれほどの力が必要なのかが科学的に算出されました [cite: 24]。その結果、次のような衝撃的な物理法則が明らかになったのです [cite: 24]。

$$F_{required} \gg F_{human\_hand}$$

(筋膜の物理的変形に必要な力 ≫ 人間の手が出せる力の限界)[cite: 25]

高密度の結合組織である私たちの「胸腰筋膜」を、物理的にわずか1%変形(ほんの少し引き伸ばす)させるだけでも、人間の手技では絶対に到達不可能な、**数百キログラム単位の剪断応力(物理的な超高圧)が必要**であることが実証されています [cite: 26]。私たちが指先や肘、器具を使って体表から加えることができる圧力など、せいぜい数キログラムから数十キログラム程度に過ぎません [cite: 26]。この程度の力では、筋膜の分子構造(コラーゲン繊維の架橋)を物理的に変化させたり、結合を破壊して「癒着を剥がす」ことは、地球の物理法則上、100%不可能です [cite: 26]。

もし、施術者の力で本当に筋膜が引き伸ばされたり剥がれたりしているのだとすれば、その手前にある組織、すなわち「皮膚」や「皮下脂肪」「毛細血管」は確実に押し潰され、激しい挫滅(大青あざや組織壊死)を起こしていなければ計算が合いません [cite: 27]。つまり、治療家が口にする「私の手技によってあなたの筋膜の構造そのものが物理的に矯正された」という主張は、現代の力学・物理学の基準に照らし合わせると完全に虚構(おとぎ話)であると言えます [cite: 27]。

5. 「効いた感覚」の正体:中枢神経系を介した生理学的錯覚(脳のハッキング)

ここで一つの疑問が浮かびます。「筋膜が物理的に1ミリも変化していないのであれば、なぜ筋膜リリースや強いマッサージを受けると、その場で腰が軽くなったり痛みが和らいだりするのか?」という点です [cite: 29]。この現象は、組織の物理的変化ではなく、私たちの身体に備わっている**「神経生理学的な反射」**によって完璧に説明が解き明かされます [cite: 29]。

皮膚や皮下組織、そして筋膜の表層には、物理的刺激を感知する「機械受容体(レセプター)」が無数に存在しています [cite: 30]。これらは圧迫や摩擦、振動といった刺激を敏感にキャッチし、その信号を脊髄を介して脳へと送ります [cite: 30]。強力な刺激や「痛気持いい」といった刺激が入力されると、中枢神経系(脳と脊髄)において以下のような一連の生存防御反応が起こります [cite: 30]。

  • ゲートコントロール理論:
    体表を強く押される「触圧覚」の信号が、腰の奥の「痛覚」の信号を脊髄レベルで遮断し、一時的に痛みの伝達をストップさせます [cite: 31]。
  • 下降性疼痛調節系の活性化:
    強い刺激に応じ、脳内からエンドルフィンなどの内因性オピオイド(脳内麻薬物質)や神経伝達物質が分泌され、全身の「痛みの感度(しきい値)」が一時的にグッと鈍化します [cite: 32]。
  • 運動単位の弛緩:
    刺激を受けた局所の筋肉の緊張(トヌス)が反射的に緩み、一時的に血流が改善します [cite: 33]。

筋膜リリースは、ただの「一時的な麻酔効果」

これらはすべて、中枢神経系が引き起こした「一時的な麻酔効果」および「筋肉の反射的弛緩」に過ぎず、痛みの原因とされる筋膜の異常や癒着が根本的に治療されたわけではありません [cite: 34]。つまり、治療家が「筋膜の癒着を治した」と主張している現象の実態は、単に皮膚や筋肉の神経レセプターを過剰に刺激して、**脳の痛み認知を一時的にバグらせた(ハッキングした)結果**に過ぎないのです [cite: 34, 36]。

当院(㐂楽鍼灸整体院金沢本院)が筋膜リリースや強揉みのマッサージをあえて行わないのは、これが理由です。脳をハッキングして一時的に痛みを誤魔化しても、骨格の崩れ(アライメント異常)や椎間板にかかる「剪断力」という物理的ストレスが変化していなければ、脳の麻酔が切れた途端に、腰痛は全く同じ激しさで確実にぶり返すからです。

6. ぎっくり腰を多発させる、朝方の椎間板内圧の秘密

脳の錯覚を誘発する筋膜治療とは対照的に、私たちが最も注視する「椎間板(ついかんばん)」の力学環境は、時間帯によって劇的に変化します。金沢の接骨院や整形外科にぎっくり腰の患者様が最も多く駆け込んでくるのは「午前中」ですが、これには椎間板の水分移動メカニズムが関係しています。

血管のない椎間板は、上下からの圧力が変化することで水分が出入りする「圧力勾配(プレッシャー・グラジエント)」によって生命を維持しています。夜間に横になって眠っている間は、重力から解放されるため椎間板内部が「陰圧」となり、周囲から栄養を含んだ水分をたっぷりと吸い込みます。その結果、**朝起きた瞬間の椎間板は、1日の中で最も水分を含み、パンパンに膨らんだ状態**になっています。

限界まで水が入った水風船が少しの衝撃で弾けてしまうのと同じように、水分を最大に含んだ起床直後の椎間板は、周囲の膜(線維輪)に強い張力がかかっており、わずかな前屈み動作で断裂(ぎっくり腰)を起こしやすい極めて危険な状態なのです。筋肉や筋膜が原因であれば、朝一番にこれほど全例一様にリスクが高まる理由が説明できません。腰痛の正体が椎間板の構造問題であるからこそ、この朝方の生理現象がそのまま発症リスクへと直結するのです。

7. 非特異的腰痛の正体と国際ガイドライン――「組織の病変」を探すアプローチの限界

世界最高峰の医学雑誌『*The Lancet*』が発表した「腰痛に関する世界的シリーズ論文(Low back pain: a call for action)」は、現代の腰痛医学における金字塔であり、世界中の医療診療ガイドラインの基礎となっています [cite: 82, 85]。この最高権威の論文の中で改めて強調されているのが、**全腰痛患者の約85%〜90%は「非特異的腰痛(Non-specific Low Back Pain)」に分類される**という厳然たる事実です [cite: 39]。

非特異的腰痛とは、「放射線検査、臨床検査、肉眼的解剖検査を行っても、痛みの直接的な発生源(発生機序)となる特定の組織・病変を明確に同定できない腰痛」を指します [cite: 40]。残りの10%〜15%は、重度の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症(神経根圧迫)、脊椎骨折、感染症、悪性腫瘍といった、画像診断と症状が一致し、明確に器質的病変が特定できる「特異的腰痛」だけです [cite: 40, 41]。

腰痛の分類 [cite: 41] 割合 [cite: 41] 医学的実態と国際的評価 [cite: 41]
特異的腰痛 [cite: 41] 約10%~15% [cite: 41] ヘルニア、脊柱管狭窄症、圧迫骨折、腫瘍など。画像診断と症状が一致し、明確に器質的病変が特定できるもの。 [cite: 41]
非特異的腰痛 [cite: 41] 約85%~90% [cite: 41] 筋膜、筋肉、靭帯などの単一組織を原因として特定することは不可能。特定の「痛みのパーツ」を探すアプローチ自体が科学的に否定されている。 [cite: 41]

この国際データが意味することは極めて重大です [cite: 42]。もし「筋膜の異常や癒着が腰痛の主原因である」という民間療法家の言説が正しいのであれば、それは原因が筋膜と特定できる「特異的腰痛」のカテゴリーに組み込まれなければ整合性が取れません [cite: 42, 52]。しかし、世界中の膨大な臨床試験をどれほどメタ解析しても、筋膜を単独の原因として分離・同定できた研究は一つも存在しないのです [cite: 42]。国際医学界の共通認識として、非特異的腰痛に対して「筋膜という特定のパーツの異常」を探し出そうとする行為自体が、科学的な的外れ(パラダイムエラー)であると結論付けられています [cite: 42]。

8. 世界の主要な診療ガイドラインにおける筋膜治療の厳しい格付け

アメリカ医師会(ACP)のガイドライン、英国国立医療技術評価機構(NICE)のガイドライン、そして日本整形外科学会による「腰痛診療ガイドライン」においても、腰痛に対する治療アプローチの推奨度は科学的根拠に基づいて厳格に格付けされています [cite: 45]。これら高インパクトファクターな医療政策・エビデンス集積において、筋膜に特化した治療(筋膜リリースや筋膜注射)の立ち位置は驚くほど低いのが現状です [cite: 45]。

  • 第一選択(強く推奨): 早期の日常生活への復帰、有酸素運動、段階的な運動療法、患者への積極的な教育。 [cite: 46]
  • 第二選択(オプション・一時的効果): 徒手療法(一般的なマッサージ、脊椎マニピュレーション)、鍼灸、短期間の消炎鎮痛剤。 [cite: 47]
  • 推奨されない(エビデンス不足): 筋膜特異的な局所療法、長期の安静。 [cite: 48]

世界最先端の医療ガイドラインにおいて、筋膜へのアプローチは「行うとしても、運動療法を行う前段階の、一時的な対症療法(痛みの感覚緩和)としてのみ考慮されるべき」という位置づけしか与えられていません [cite: 49]。筋膜を根本治療の本丸として据えるアプローチは、国際標準の医療から大きく逸脱しているのが現実です [cite: 49]。

9. 椎間板を守る「黄金の動作」:お辞儀一つで負担を劇的に減らす方法

筋膜という「壊れてもいない部品」に執着するのをやめ、真の発生源である椎間板の力学環境に目を向けましょう。椎間板は一度悪くなると二度ともとに戻りません。だからこそ、日々の動作で椎間板へのストレス(圧迫と剪断力)を排除することが、金沢で腰痛から解放されるための最優先事項です。

最も重要なのが、前にかがむお辞儀や物を拾う動作です。前にかがむ時、腰を含めて上半身全体が丸くなってしまうと、椎間板に巨大な圧迫が加わります。これはまっすぐ立っている時の2倍以上もの重荷になると言われています。今日から、**背中がまっすぐのまま、股関節だけで前にかがむ「ヒップヒンジ」**を徹底してください。これだけで椎間板への物理的ストレスは激減します。また、低い椅子や地べたに座ると強制的に猫背になり、椎間板がどんどん傷むため、なるべく高い椅子に座るか、クッションを使用して骨盤を立てる工夫が不可欠です。

10. コクラン共同計画などのメタ解析が暴く「筋膜リリース論文」の致命的欠陥

「筋膜が腰痛の原因であることを証明した論文がある」と主張する民間療法家や筋膜セミナー団体が提示する根拠を精査すると、そこには現代医学が定める「エビデンスピラミッド」における致命的な階層の低さが露呈します [cite: 52]。

彼らが誇る論文の多くは、最低層の「動物実験(ネズミの背皮を引っ張ったら結合組織が変化した等)」や、数人の結果をまとめただけの「症例報告(ケースレポート)」レベルに留まっています [cite: 58, 60]。直立二足歩行を行い複雑な荷重環境にある人間の腰部と、四足歩行の動物を同列に語ることはできません [cite: 60]。また、対照群(偽の治療を行う比較グループ)を設定していない症例報告は、科学的な証明としては完全に無価値とみなされます [cite: 60]。

世界最高峰の客観性を誇る医療評価機関である**「コクラン共同計画(Cochrane Collaboration)」**をはじめとする臨床疫学専門誌のシステマティック・レビューでは、筋膜リリースの効果について冷徹な結論が出されています [cite: 61, 62, 85]。患者側や評価者を本物の施術か偽の手技か分からないように工夫した「質の高いランダム化比較試験(RCT)」を集めて解析すると、驚くべき結果が浮き彫りになりました [cite: 63]。

【厳格な臨床試験の結論】

筋膜リリースは、一般的なただの全身マッサージや、あるいは何の効果もないはずの偽(シャム)の治療と比較して、長期的な痛み軽減効果および機能改善効果において有意な差が認められない。 [cite: 63]
つまり、「筋膜に特化した特別な価値」などは存在せず、一般的な物理刺激以上の効果はないことが証明されています [cite: 68]。

これには、臨床試験における2つの巨大なバイアス(罠)が関係しています [cite: 64]。

  • 自然経過(Natural History): 急性腰痛(ぎっくり腰)の約90%は、どのような治療を行おうが、あるいは全く治療を行わずに放置しようが、時間の経過(通常2〜6週間以内)とともに自然に治癒・寛解します [cite: 65]。民間療法家が「筋膜リリースで治した」と主張する症例の大部分は、単に「人間の身体が勝手に自然治癒したタイミングと施術が重なっただけ」に過ぎません [cite: 65, 66]。
  • プラセボ効果(Placebo Effect): 強力な力で押される、高額な専門的治療を受ける、治療家から「あなたの筋膜はボロボロだ、今からこれを剥がす」といった権威的なナラティブ(説明)を受けること自体が脳の期待感を高め、一時的に強力な鎮痛効果を生み出します [cite: 67]。これは組織が物理的に変化したからではなく、完全なる「脳の錯覚」です [cite: 67]。

11. 現代医学の最終結論:「パーツの異常」から「動的システム」へのパラダイムシフト

最高峰の国際的医学エビデンスに基づき、現代医学が到達した最終結論を総括します [cite: 71, 72]。「筋膜が腰痛の原因である」という言説は、現代の科学的基準において明確に否定されている、または実証不可能な神話です [cite: 73]。画像上の筋膜の肥厚は痛みのない健康な人にも広く見られる個体差であり [cite: 74]、人間の手技で筋膜を物理的に変形させることは生体材料力学上、絶対に不可能です [cite: 75]。腰痛の85%以上は発生源を特定できない「非特異的腰痛」であり、単一のパーツに原因を求めるアプローチ自体が国際ガイドラインで否定されています [cite: 76]。

腰痛は、筋膜という特定の「部品」が壊れたり錆びついたりすることで発生する機械的な故障(ハードウェアの異常)ではありません [cite: 78]。現代医学において腰痛(特に慢性腰痛)は、過度な身体的負荷、運動不足、全身の血液循環不全、そして中枢神経系における痛みモジュレーション(神経回路の過敏化)などが複雑に絡み合った**「動的な生体システムの不全(ソフトウェアのバグ)」**として捉えられています [cite: 78]。

「筋膜」というキャッチーな言葉に惑わされ、局所の揉みほぐしや怪しげなリリース技術に大金と時間を費やすことは、国際的な医学の潮流から大きく遅れるだけでなく、腰痛の本質的な解決(アクティブな運動による身体機能の回復と日常生活動作の是正)を遠ざける結果になりかねません [cite: 79]。私たちは、単一の組織を悪者にする単純化された神話を捨て、科学的に実証された包括的な身体アプローチへと目を向ける必要があります [cite: 79]。

まとめ:金沢で腰痛に悩むあなたへ。本質的な骨格アライメント調整を

約10,000字にわたる本コラムを最後までお読みいただき、ありがとうございます。科学的エビデンスが示す通り、腰痛の本質的な解決のためにあなたが今日から実践すべきロードマップは以下の通りです。

  • 筋膜神話からの脱却: 「癒着を剥がす」という言葉に惑わされず、一時的な脳のハッキング(麻酔効果)に依存しない。 [cite: 27, 34]
  • 真の原因へのアプローチ: 痛みの起点である「椎間板」の力学環境を整え、反り腰や猫背による剪断力を排除する。
  • 能動的な身体作り: 痛みが落ち着いたら、ウォーキング等の重心移動を伴う運動を行い、椎間板へフレッシュな栄養を送り込む。
  • 信頼できる専門機関の選定: 抽象的なナラティブで誤魔化さず、解剖学・バイオメカニクスに基づいた説明と姿勢指導をしてくれる院を選ぶ。

金沢市香林坊の「㐂楽鍼灸整体院金沢本院(Sept Conditioning Lab.)」では、こうした国際基準の医学エビデンスに則り、あなたの身体全体の動的システムと骨格アライメントを適正化する本質的な施術を行っています。
「もう二度と腰痛をぶり返したくない」と本気で願うなら、ぜひ一度当院の専門整体をご体感ください。

主要参考文献 (Web/ジャーナル検索クエリ) [cite: 81]

  • Lancet Low back pain series 2018: "Low back pain: a call for action" [cite: 82]
  • New England Journal of Medicine: "Magnetic Resonance Imaging of the Lumbar Spine in People without Back Pain" (Jensen et al.) [cite: 83]
  • Journal of the American Osteopathic Association: "Three-Dimensional Mathematical Model for Deforming Human Fascia" (Chaudhry et al.) [cite: 84]
  • Cochrane Database of Systematic Reviews: Myofascial release for non-specific low back pain evaluation [cite: 85]
  • 兵藤ら:いわゆる「ぎっくり腰」は椎間板性疼痛か.日本腰痛学会誌,8(1):106 – 114, 2002

【金沢の腰痛専門】 㐂楽鍼灸整体院金沢本院(Sept Conditioning Lab.)

〒920-0961 石川県金沢市香林坊1丁目2-40 石川県教育会館1F(香林坊大和大隣)

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金沢市で腰痛に悩んでいる方へ!!

金沢市香林坊の専門整体院が医学的エビデンスを元に徹底解説

【金沢の腰痛専門ケア】なぜあなたの腰痛は治らないのか?
椎間板の専門医学と根本改善完全マニュアル

「金沢市内で腰痛に悩み、何件もの整形外科や接骨院、マッサージに通ったけれど、結局すぐにぶり返してしまう……」

そんな深いお悩みをお持ちではありませんか?日本の伝統都市であり、近年はデスクワークや車社会化が進む金沢市において、慢性的な腰痛や突発的なぎっくり腰に苦しむ方は増加の一途を辿っています。一般的な治療院では「筋肉が硬いから」「骨盤が歪んでいるから」と説明され、マッサージや筋膜リリース、電気治療を勧められることがほとんどです。しかし、なぜそれでは治らないのでしょうか?

結論から申し上げます。**あなたの腰痛が良くならない本当の理由は、痛みの主原因である「椎間板(ついかんばん)」に対して直接的なアプローチが行われていないから**です。本記事では、金沢市香林坊で多くの腰痛患者様と向き合ってきた『㐂楽鍼灸整体院金沢本院(Sept Conditioning Lab.)』が、整形外科学の文献データに基づいた腰痛の本質、朝方にぎっくり腰が多発する生理学的理由、そして一生モノの腰痛予防姿勢までを、約10,000字の圧倒的なボリュームで徹底的に解説します。

この記事の目次(全4パート構成・第1パート)

1. 金沢で腰痛が治らない人が陥る「原因の誤解」とマッサージの限界

金沢市の中心部、香林坊や片町、武蔵ヶ辻周辺をはじめ、多くのオフィスや商業施設が立ち並ぶエリアでは、日々デスクワークによる長時間の座りっぱなし姿勢を強いられている方が少なくありません。また、石川県全体として自家用車の普及率が高く、移動のほとんどを車内で過ごすという「車社会」ならではの生活習慣も、腰痛を悪化させる大きな要因となっています。

腰痛を感じたとき、多くの人がまず思い浮かべるのが「腰の筋肉が凝り固まっているから、揉みほぐしてもらおう」という選択肢です。金沢市内にも、安価なリラクゼーションマッサージ店や、筋肉へのアプローチを謳う整体院が乱立しています。確かに、一時的に強力なマッサージを受けたり、流行りの「筋膜リリース」「トリガーポイント療法」を施術されたりすると、その場では腰が軽くなったような感覚を覚えるかもしれません。

【重要】マッサージで腰痛がぶり返す理由

筋肉や筋膜へのアプローチは、あくまで「結果として生じた副次的な緊張」を一時的に和らげているに過ぎません。腰痛の「本当の発生源(ペインジェネレーター)」が別の場所にある場合、いくら表面の筋肉をマッサージしても、数日、早ければ数時間で元の痛みにぶり返します。それどころか、過度な強揉みは防御性収縮を招き、筋肉をより強固に硬化させるリスクすら孕んでいます。

もし、あなたがこれまでに金沢市内のマッサージ店や整体を何度も利用し、その度に「すぐ元に戻る」を繰り返しているのであれば、それはアプローチしている対象が間違っているという、身体からの明確なサインです。私たちは、腰痛の根本原因を筋肉ではなく、脊椎の構造体そのもの、とりわけ「椎間板(ついかんばん)」に求めて施術を行っています。では、なぜ椎間板がそれほどまでに重要なのでしょうか。次のセクションで、具体的な医学的データとともに解説します。

2. 医学的エビデンスで実証:腰が痛い本当の理由は「椎間板」にある

「腰痛の8割は原因不明」という言葉を耳にしたことがある方も多いかもしれません。これは過去に提唱された古い非特異性腰痛のデータに基づくものですが、近年の脊椎医学・臨床解剖学の進歩により、詳細な理学所見と画像診断を組み合わせることで、腰痛の発生源を高確率で特定できるようになっています。

ズバリ、腰痛(特にぎっくり腰のような急性腰痛、および朝方に痛む慢性腰痛)の本当の理由は、脊椎の骨と骨の間でクッションの役割を果たしている「椎間板(ついかんばん)」にあります。

当院(㐂楽鍼灸整体院金沢本院)を訪れる金沢市の腰痛患者様の多くも、この椎間板を中心としたアプローチに切り替えることで、劇的な症状の寛解(痛みの軽減・消失)を経験されています。筋肉や骨盤の傾きだけを見ていては決して到達できない、腰痛治療の核心がここにあります。

椎間板は、中心にあるゼリー状の「髄核(ずいかく)」と、それを同心円状に幾重にも取り囲む強靭な層状のコラーゲン組織である「線維輪(せんいりん)」という二つの構造から成り立っています。この椎間板が、私たちの日常生活における歩行、走行、ジャンプ、そして座位保持における強大な垂直圧を吸収し、分散させているのです。しかし、この精緻なクッション構造こそが、一度傷つくと激烈な痛みを引き起こす最大のペインジェネレーターと化してしまうのです。

3. いわゆる「ぎっくり腰(急性腰痛)」は椎間板性疼痛なのか?論文を読み解く

ここで、いわゆる「魔女の一撃」と呼ばれる激しいぎっくり腰(急性腰痛)が、本当に椎間板に由来しているのか、日本の整形外科領域における著名な文献を引用して証明しましょう。

兵藤らによる研究論文『いわゆる「ぎっくり腰」は椎間板性疼痛か』(日本腰痛学会誌, 8(1): 106–114, 2002)では、急性腰痛を発症した患者群に対して、椎間板造影検査(ブロック椎間)およびMRIによる極めて詳細な追跡調査を行っています。その結果、驚くべきデータが示されました。

【論文引用・要約】

2)椎間板造影像(ブロック椎間)
後方線維輪までの放射状断裂像(radial tear)が全例にみられた。Adamsの分類では、亀裂型が14例(88%)に、破裂型が2例(13%)にみられた。

3)MR像(T2強調MR像における椎間板の変性度)
ブロック椎間での椎間板の変性度をGibsonの分類でみると、gradeⅡが1例(6%)に、gradeⅢが15例(94%)にみられた。信号が完全に消失する高度変性のgradeⅣはみられなかった。

この研究データが意味することは極めて重大です。調査されたぎっくり腰患者の**「全例」において、椎間板の外側を包む線維輪に放射状の断裂(亀裂や破裂)が観察された**のです。また、MRI像においても、軽度〜中等度の椎間板の変性(水分低下や構造の傷み)がほぼ全例(94%がgradeⅢ)で確認されています。

つまり、私たちが日常的に「あっ、腰をひねって筋肉を痛めた」「重いものを持って筋膜が切れた」と感じているぎっくり腰の正体は、そのほとんどが**「椎間板の線維輪に亀裂が入った瞬間、あるいは断裂した瞬間の痛み」**である可能性が、科学的・客観的データによって強力に裏付けられているのです。

したがって、金沢市内でぎっくり腰を起こして動けなくなった直後に、腰の筋肉を強く揉んだり、無理にストレッチをして引っ張ったりすることは、傷口に塩を塗るどころか、椎間板の断裂(亀裂)をさらに押し広げて悪化させる極めて危険な行為と言わざるを得ません。必要なのは筋肉の緩和ではなく、椎間板にかかる力学的ストレスを即座にゼロに近づける制御アプローチなのです。

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4. 統計が示す真実:なぜ「午前中」にぎっくり腰が多発するのか?

金沢市の接骨院や整形外科の待合室が最も混み合うのはいつでしょうか? 実は、ぎっくり腰で駆け込んでくる患者様が集中するのは、圧倒的に「午前中」です。これには単なる偶然ではなく、人間の身体の構造、特に椎間板の驚くべき生理学的メカニズムが深く関わっています。

椎間板は、人体の中で最大の「無血管組織」と呼ばれています。つまり、他の筋肉や臓器のように血管が直接中まで入り込んで酸素や栄養を運んでいるわけではありません。では、どうやって生命を維持しているのかというと、上下からの圧力が変化することで水分が出入りする「圧力勾配(プレッシャー・グラジエント)」を利用しています。

【メカニズム】夜の間に椎間板で起きていること

私たちが夜、横になって眠っている間、重力による脊椎への圧迫から解放されます。すると、椎間板内部は「陰圧(吸い込む力)」になり、周囲から栄養を含んだ水分をたっぷりと吸い込みます。その結果、朝起きた瞬間の椎間板は、1日の中で最も水分を含み、パンパンに膨らんだ状態になっています。

この「朝方のパンパンに膨らんだ椎間板」こそが、ぎっくり腰の最大の罠です。水風船を想像してみてください。水が少量なら柔軟に形を変えますが、限界まで水が入った水風船は、少しの衝撃でパチンと弾けてしまいます。椎間板も同様で、水分を最大に含んだ起床後数時間は、周囲の膜(線維輪)に強い張力がかかっており、わずかな前屈みやひねり動作で断裂(ぎっくり腰)を起こしやすいのです。

「朝、洗面台で顔を洗おうとして腰が抜けた」「靴下を履こうとした瞬間に激痛が走った」という金沢の患者様のエピソードは、まさにこの椎間板の水分環境が原因です。金沢の冬場のように寒さで筋肉が強張っている時期は、さらにこのリスクが高まります。

5. 慢性腰痛の恐怖:神経が椎間板の「中」まで伸びてくる?

なぜ、一度痛めた腰は何度も痛むようになるのでしょうか? なぜ、金沢の湿った寒さや気圧の変化で腰が疼くのでしょうか? その答えは、椎間板の「神経浸入(しんけいしんにゅう)」という現象にあります。

本来、健康な状態の椎間板は、その外側3分の1程度の層(線維輪の外層)にしか痛みを感じる神経が存在しません。つまり、中心部は痛みを感じない「無痛地帯」なのです。しかし、椎間板が傷み、炎症を繰り返すと、身体は修復しようとして新しい血管と神経を椎間板の内部へと引き込んでしまいます。

慢性腰痛の正体「感作(かんさ)」

本来は神経がないはずの椎間板内部にまで神経が伸びてしまうと、通常なら痛みを感じない程度のわずかな重力や、座っている時の圧力に対しても、脳へ「痛み」の信号を送るようになってしまいます。これが、金沢で多くの人が悩む「何をしても消えない慢性的な腰の重だるさ」の解剖学的な正体です。

この状態になると、単に筋肉を揉むだけでは解決しません。伸びてしまった神経を過敏にさせないためには、椎間板にかかる「剪断力(せんだんりょく:骨が前後にズレようとする力)」を最小限に抑える骨格の再構築が必要不可欠となります。

6. 椎間板を殺す「剪断力」と反り腰の危険な関係

腰痛治療において、私たちが金沢の患者様に最も注意を促すのが「剪断力(せんだんりょく)」です。これは、積み木のように重なっている脊椎が、前後にズレようとする力のことです。

特に「反り腰」の傾向がある方は注意が必要です。腰椎が過度に前方に湾曲すると、上の骨が下の骨に対して前へ滑り落ちようとする力が常に椎間板にかかり続けます。この「ズレる力」は、垂直な圧迫以上に線維輪を傷つけやすく、椎間板の老化(変性)を加速させます。

金沢市で働くデスクワーカーの方に多いのが、「良い姿勢を意識しようとして腰を反らしすぎている」ケースです。胸を張ることを意識しすぎて腰に強い剪断力をかけ、結果として自ら椎間板を痛めている……。これを防ぐには、背中の筋肉で姿勢を作るのではなく、骨盤のアライメント(配置)を整える専門的な調整が必要になります。

7. 椎間板を守る「黄金の動作」:今日からできる腰痛予防

「一度傷ついた椎間板は完全には元に戻らない」——これは医学的な事実です。だからこそ、金沢で腰痛に悩むすべての方に知っていただきたいのが、椎間板へのストレスを最小化する身体の使い道です。

① 前屈みの時は「ヒップヒンジ」を意識する

顔を洗う、掃除機をかける、下のものを拾う。これらの動作の際、背中を丸めていませんか? 背中を丸めた前屈姿勢は、まっすぐ立っている状態の約2倍以上の圧力が椎間板にかかります。改善策は、股関節を蝶番(ヒンジ)のように使う**「ヒップヒンジ」**です。背中を板のようにまっすぐ保ったまま、お尻を後ろに突き出すようにして屈むことで、負担を椎間板ではなくお尻の大きな筋肉(大臀筋)に逃がすことができます。

② 座る時は「椅子の高さ」が命

金沢のオフィスワークやご自宅でのリラックスタイム、実は「低い椅子」や「地べた座り」が腰を破壊しています。座面が低いと骨盤が後傾し、強制的に椎間板へ強い圧力がかかる猫背姿勢になります。理想は、股関節が膝よりも少し高い位置に来る高さの椅子に座ること。これができない環境では、クッションをお尻の後ろ半分に敷き、骨盤を立てるサポートをしてください。

8. 「安静」はもう古い? 椎間板の栄養補給には「運動」が必要な理由

昔は「腰が痛ければ寝ていろ」と言われましたが、現在のスポーツ医学では逆です。椎間板の健康を維持するためには、適度な**「ポンピング作用(上下の圧力移動)」**が必要です。

前述の通り、椎間板は血管がないため、動くことでしか栄養を吸い込めません。ずっと同じ姿勢で座っていることは、椎間板を干上がらせているのと同じです。金沢の美しい街並みをウォーキングしたり、軽くジョギングしたりすることは、椎間板に「圧をかける→抜く」のサイクルを繰り返し、フレッシュな水分を送り込む最高のメンテナンスになります。

プロが推奨する運動のポイント

「痛みが強すぎる時」は安静が必要ですが、動けるようになったら「痛くない範囲で歩く」ことが回復を早めます。特に上下の重心移動があるウォーキングは、椎間板の栄養交換を促進し、組織の修復を助けます。

9. 金沢の気候と腰痛:冬の寒さと湿度が椎間板に与える影響

金沢にお住まいの方なら実感されている通り、冬場の凍てつくような寒さと高い湿度は、腰痛持ちには厳しい環境です。気温が下がると毛細血管が収縮し、全身の血流が悪化します。すると、元々血管のない椎間板周辺の環境はさらに悪化し、栄養不足が加速します。

また、雪かきなどの重労働は、椎間板に不意の強い圧力をかける最たるものです。金沢での腰痛対策には、単なる姿勢矯正だけでなく、こうした地域特有の生活環境に合わせたケアも欠かせません。身体を芯から温める入浴や、冬場こそ意識的な水分摂取を行うことが、椎間板の柔軟性を保つ鍵となります。

10. 金沢で「本当に信頼できる」腰痛専門院を見極める3つのポイント

金沢市には数多くの整体院やマッサージ店がありますが、椎間板のトラブルを抱えている方が「選んではいけない」院も存在します。大切な身体を預けるために、以下の3点を確認してください。

  • ① 検査とヒアリングに時間をかけているか?
    ベッドに寝かせてすぐに揉み始める院は危険です。椎間板の損傷を疑うなら、どの動作で痛むのか、神経症状はないか、SLRテストなどの神経学的検査を丁寧に行う必要があります。
  • ② 科学的エビデンス(根拠)に基づいた説明があるか?
    「気が滞っている」「骨盤が数ミリズレている」といった抽象的な説明だけでなく、本記事で紹介したような椎間板の生理学や力学(バイオメカニクス)に基づいた納得感のある説明をしてくれる院を選びましょう。
  • ③ 日常生活の指導(セルフケア)が具体的か?
    施術の時間は1日のうちのわずか1時間足らずです。残りの23時間でどう椎間板を守るか(座り方、立ち方、寝方)を具体的に指導できない院では、根本改善は望めません。

11. 㐂楽鍼灸整体院金沢本院が選ばれる理由

金沢市香林坊に構える当院(Sept Conditioning Lab.)では、最新のスポーツ医学と伝統的な手技を融合させた独自のアプローチを行っています。私たちは単に「腰の痛みを消す」ことだけを目的としていません。あなたの椎間板が10年後、20年後も健康であり続け、金沢での生活を謳歌できる身体を作ることをミッションとしています。

当院の特徴は、徹底した「アライメント(配列)の適正化」です。椎間板にかかる剪断力をゼロにするための骨格調整、そして深層筋への緻密なアプローチにより、多くの金沢の腰痛難民の方々を笑顔に変えてきました。

まとめ:あなたの腰痛改善は「椎間板」への理解から始まる

約10,000字にわたる本コラムをお読みいただき、ありがとうございます。金沢で腰痛に悩むあなたが、今日から意識すべきことは以下の4点です。

  • 原因の特定: 痛みの主役は筋肉ではなく「椎間板」の損傷や変性である可能性が高い。
  • 朝の警戒: 水分を吸って膨らんだ起床直後の1〜2時間は、動作に細心の注意を払う。
  • 力の制御: 椎間板を破壊する「剪断力(ズレる力)」と「過度な圧迫」を、正しい姿勢で回避する。
  • 専門的ケア: 表面的なマッサージで誤魔化さず、構造を整える本質的な整体を受ける。

「もう、金沢の街を不安なく歩きたい」
そう願うなら、ぜひ一度当院へご相談ください。あなたの腰痛の正体を解き明かし、根本からの改善を共に目指しましょう。

【金沢の腰痛専門】 㐂楽鍼灸整体院金沢本院(Sept Conditioning Lab.)

〒920-0961 石川県金沢市香林坊2丁目12-10 1F

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金沢で五十肩に悩まされたら!

【金沢】五十肩が治らない本当の理由|原因・症状・改善方法を専門的に解説

結論|五十肩は「肩だけの問題」ではない

五十肩(肩関節周囲炎)は「年齢のせい」と言われることが多い症状ですが、実際にはそれほど単純ではありません。

確かに加齢による組織変性は存在します。しかし本質的には、

  • 関節機能の低下
  • 肩甲帯の運動異常
  • 神経系の防御反応
  • 疼痛回避による運動学習

これらが複雑に絡み合って発症・慢性化します。

つまり、「肩を揉む」「温める」だけでは改善しないケースが多いのです。


そもそも五十肩とは何か?

五十肩は一般的に「肩関節周囲炎」と呼ばれます。

特定の疾患名というより、

  • 肩関節周囲組織の炎症
  • 拘縮(硬化)
  • 疼痛

を包括的に指す名称です。

医学的には、

  • 凍結肩(Frozen Shoulder)
  • 癒着性関節包炎(Adhesive Capsulitis)

などの概念と重なります。


五十肩の主な症状

① 夜間痛

五十肩の代表的症状です。

夜になるとズキズキ痛み、

  • 眠れない
  • 寝返りで激痛
  • 横向きで寝られない

などが起こります。

これは単なる炎症だけでなく、 神経系の過敏化が関与しています。


② 可動域制限

五十肩では肩が動かなくなります。

  • 腕が上がらない
  • 後ろに回らない
  • 服を着るのが辛い

特に

  • 外旋
  • 外転
  • 水平伸展

が制限されやすいです。


③ 動作時痛

日常生活でも強い痛みが出ます。

  • 洗濯物
  • 髪を洗う
  • 高い場所の物を取る

などで強い負担が生じます。


なぜ五十肩は治りにくいのか?

ここが最重要です。

五十肩が治りにくい理由は、 「炎症」だけではないからです。

実際には、

  • 関節包拘縮
  • 筋機能低下
  • 肩甲胸郭リズム破綻
  • 神経防御反応

などが起こっています。

つまり、 「痛いから動かさない」 ↓ 「さらに硬くなる」 ↓ 「さらに痛い」

という悪循環が起こります。


五十肩の病期(超重要)

五十肩は病期によって対応が変わります。

① 炎症期

  • 強い夜間痛
  • 安静時痛
  • 熱感

この時期に無理に動かすと悪化します。


② 拘縮期

炎症は減少しますが、 肩が硬くなります。

この時期は可動域改善が重要です。


③ 回復期

徐々に動きが戻ります。

しかし放置すると可動域制限が残ります。


よくある間違い

❌ とにかく動かす

炎症期では悪化します。

❌ マッサージだけ

関節機能は改善しません。

❌ 湿布だけ

根本原因は変わりません。


五十肩と姿勢の関係

五十肩では姿勢の影響も非常に大きいです。

特に、

  • 猫背
  • 胸椎後弯
  • 頭部前方位

があると肩甲骨機能が低下します。

その結果、 肩関節への負担が増加します。


肩甲骨が重要な理由

肩関節は単独では動きません。

実際には、

  • 肩甲骨
  • 鎖骨
  • 胸郭

が連動しています。

これを「肩甲上腕リズム」と呼びます。

五十肩ではこのリズムが崩壊しています。

五十肩は「肩だけ治療しても治らない」

ここが非常に重要です。

一般的な五十肩治療では、

  • 肩を揉む
  • 肩を温める
  • 肩を動かす

という「肩そのものへのアプローチ」が中心になります。

しかし、実際にはそれだけでは改善しないケースが非常に多いです。

なぜなら、 五十肩は肩関節だけの問題ではないからです。


夜間痛は「普通の炎症」では説明できない

五十肩で最も特徴的なのが、

  • 安静時痛
  • 夜間痛

です。

特に、

  • 寝ているだけで痛む
  • 寝返りで目が覚める
  • ズキズキとうずく

という症状は典型的です。

しかしここで考えなくてはならないのは、 通常の炎症だけでは説明がつきにくいという点です。

例えば、

  • 人工関節手術
  • 骨折手術
  • 大きな外傷

などでも、数週間〜数ヶ月で痛みはコントロールされます。

それにも関わらず、 五十肩では1〜2年も痛みが持続することがあります。

これは単純な炎症だけでは説明が困難です。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}


関節拘縮は「筋肉」ではなく関節包が問題

五十肩では肩が極端に硬くなります。

この拘縮に対して、

  • 筋肉を揉む
  • ストレッチする

という対応が行われることがあります。

しかし研究では、 拘縮肩のマニピュレーション時に破綻する部位は

  • 後方下部関節包
  • 腱板疎部

であり、筋肉ではないことが示されています。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}

つまり、 凍結肩の本質は筋肉ではなく関節包拘縮です。


なぜ関節包が急激に硬くなるのか?

ここが五十肩最大の謎です。

通常、 関節包はそこまで急激に変化しません。

股関節や膝関節でも、 単純な炎症だけで急速な拘縮が発生することは少ないです。

それなのに五十肩では、

  • 数週間〜数ヶ月で
  • 急激な可動域低下
  • 強い拘縮

が起こります。

この現象には、 神経の影響が強く関与している可能性があります。


神経変性と五十肩の関係

拘縮が起こる部位には、 神経変性(Renaut小体)が認められることが報告されています。 :contentReference[oaicite:2]{index=2}

特に、

  • 腋窩関節包
  • 腱板疎部

には頚椎5番由来の神経が分布しています。

つまり、

  • 頚椎
  • 末梢神経
  • 血流障害

が関与している可能性が高いのです。


頚椎と五十肩の関係

五十肩の方を詳しく評価すると、

  • 首の動きが悪い
  • 頚椎症がある
  • 肩だけでなく腕まで違和感がある

というケースが少なくありません。

特に頚椎5番周辺は、 肩周囲へ向かう神経に関与します。

そのため、 頚椎由来の神経ストレスが肩関節包へ影響している可能性があります。


五十肩は「神経因性疼痛」に近い特徴を持つ

五十肩には、

  • 安静時痛
  • 夜間痛
  • 異常な拘縮

など、 神経障害性疼痛に近い特徴があります。

これはCRPS(複合性局所疼痛症候群)と似た特徴です。 :contentReference[oaicite:3]{index=3}

CRPSでも、

  • 強い痛み
  • 拘縮
  • 血流異常

が起こります。

つまり、 五十肩にも神経因性要素が含まれている可能性があります。


糖尿病・高脂血症・甲状腺疾患との関係

五十肩は、

  • 糖尿病
  • 高脂血症
  • 甲状腺疾患

との関連が知られています。

これらに共通するのは、 血流障害・動脈硬化リスクです。

つまり、 神経への血流障害が発生しやすい状態と言えます。

これが神経変性や拘縮に関与している可能性があります。 :contentReference[oaicite:4]{index=4}

五十肩で本当に重要なのは「神経ストレス」を減らすこと

ここまで解説してきた通り、 五十肩は単なる肩関節炎ではなく、

  • 神経
  • 血流
  • 関節包
  • 運動制御

が複雑に関与しています。

つまり、 単純なマッサージだけでは改善しにくいのです。


神経への圧迫ストレス

神経は、

  • 圧迫
  • 牽引
  • 血流低下

によって機能低下を起こします。

特に、 頚椎から肩へ向かう神経は、

  • 斜角筋
  • 腋窩

など複数の部位でストレスを受けます。

これを「ダブルクラッシュ」のような概念で考える必要があります。


Neural Flossing(神経モビライゼーション)とは?

神経は単なる電線ではありません。

実際には、 滑走しながら動いています。

しかし五十肩では、

  • 拘縮
  • 炎症
  • 血流低下

によって神経滑走性が低下します。

Neural Flossingは、 神経の滑走性・伸張性改善を目的としたアプローチです。 :contentReference[oaicite:5]{index=5}


血流改善が重要な理由

神経は血流依存性が高い組織です。

そのため、 血流低下は神経機能低下へ直結します。

特に五十肩では、

  • 動脈硬化
  • 糖代謝異常
  • 血液循環低下

との関連が強く示唆されています。


肩だけ動かしても改善しない理由

五十肩で重要なのは、 肩関節単独ではなく

  • 胸椎
  • 肩甲骨
  • 頚椎

を含めた全体機能です。

例えば、 胸椎が硬いと肩甲骨が正常に動きません。

その結果、 肩関節へ過剰な負荷が集中します。


肩甲胸郭リズムの破綻

正常では、 腕を上げる際に

  • 肩甲骨
  • 上腕骨

が協調して動きます。

しかし五十肩では、 このリズムが崩壊しています。

そのため、 無理に肩だけ動かすと悪化します。


炎症期に無理な運動は危険

よくある誤解として、

「痛くても動かした方が良い」

というものがあります。

しかし炎症期では、 強い刺激が逆効果になることがあります。

特に夜間痛が強い時期は、 神経過敏も強くなっています。


五十肩に対する当院の考え方

当院では、 五十肩に対して以下を重視しています。

  • 頚椎機能改善
  • 神経リリース
  • 胸椎可動域改善
  • 肩甲骨機能改善
  • 血流改善

つまり、 「肩だけを見る」のではなく、 神経系を含めて全体を評価します。


鍼灸が有効な理由

鍼灸は、

  • 鎮痛作用
  • 血流改善
  • 神経系調整

に作用します。

特に深部組織への刺激は、 徒手だけでは難しい部分にもアプローチ可能です。


改善には「早期介入」が重要

五十肩は放置すると、

  • 拘縮固定
  • 運動パターン異常
  • 慢性疼痛化

が進みます。

そのため、 早い段階で適切に介入することが重要です。

症例紹介

50代女性|夜間痛が強い五十肩

主訴:夜間痛・挙上困難
期間:6ヶ月以上

評価では、

  • 頚椎可動域低下
  • 胸椎伸展制限
  • 腋窩部緊張

が強く認められました。

施術では、

  • 頚椎調整
  • 神経モビライゼーション
  • 鍼灸

を中心に介入。

結果、 数回で夜間痛が軽減し、 睡眠が可能となりました。


40代男性|拘縮が強い凍結肩

主訴:肩が90°以上挙がらない

評価では、

  • 肩甲骨固定化
  • 胸椎回旋制限
  • 頚部神経ストレス

が認められました。

肩だけではなく、 全身連動性を改善した結果、 徐々に可動域が改善しました。


セルフケアで重要なこと

① 水分摂取

血流改善のために重要です。

② 軽い運動

循環改善が目的です。

③ 首・胸椎の柔軟性

肩だけでなく、 胸郭機能も重要です。


よくある質問

Q. 五十肩は放置で治りますか?

軽症では改善する場合もあります。 しかし重症例では拘縮が残存することがあります。

Q. 温めた方がいいですか?

炎症期では悪化する場合もあります。 病期判断が重要です。

Q. ストレッチは必要ですか?

拘縮期には有効ですが、 炎症期では刺激量に注意が必要です。


まとめ|五十肩は「肩の炎症」だけではない

五十肩は、

  • 関節包拘縮
  • 神経変性
  • 血流障害
  • 運動制御異常

などが複雑に絡み合う症状です。

そのため、 単純に肩だけを治療しても改善しないケースが多いのです。

特に、

  • 夜間痛
  • 長期化
  • 強い拘縮

がある場合は、 神経系も含めて考える必要があります。 :contentReference[oaicite:6]{index=6}


金沢で五十肩にお悩みの方へ

当院では、

  • 神経
  • 関節
  • 姿勢
  • 血流

を総合的に評価し、 五十肩へアプローチしています。

「どこに行っても改善しない」 「夜間痛で眠れない」

そんな方は一度ご相談ください。

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姿勢が悪いと起きる身体への3つの影響

姿勢が悪くなると起こる身体への悪影響を解説します.

ずばり

① 見た目が悪い  ②身体の痛みや変形が起きる ③太りやすい.痩せにくくなる

詳しい解説は↓

 

①見た目が悪い

悪い姿勢と良い姿勢の比較

写真のように同じ人物でも姿勢が悪いだけでずいぶんと印象が違いませんか?

お腹が出てしまっていわゆるぽっこりお腹になってますね..

身長も低くなってるのがわかります.

頭が前に出て首が前に倒れています.こうなると首の長さが低くなるので,顎周りの肉があまり,フェイスラインのもたつきやたるみにつながります.

姿勢が悪いと老け込んで見える事もよく経験します.

 

②身体の痛みや変形が起きる

 

肩こりや腰痛は最たるものですね.首が変形して神経を圧迫すると肩こりが起きますし,場合によっては五十肩を引き起こしたりもします.

反り腰が強いと椎間板が傷み,腰痛になります.椎間板が傷むと二度と元通りにならないので良好な状態を保つ事が大事です.また,辷り症など不可逆的な疾患の因子にもなります.

他にも膝の傷みや外反母趾なども姿勢の悪化によるマルアラインメントに起因します.

 

肩こりの原因とは??筋肉ではなく神経由来!

腰痛を引き起こしている組織は椎間板!

五十肩の治し方

 

 

 

3.太りやすい.痩せにくくなる

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睡眠の質のお話~レム睡眠ととノンレムって??~ 睡眠でお悩みなら㐂楽鍼灸整体金沢本院

レム睡眠とノンレム睡眠の考え方

 TVで睡眠の特集が何度かあったので睡眠について私見を交えて解説します.

 

まずよくある区別がレム睡眠とノンレム睡眠です.

レム(REM)は高速眼球運動の略で,眠っているにも関わらず目がぐるぐる動いている状態です.これは眠っているけど脳は働いているという事です.

ノンレムは眠っていて眼球運動がない状態で,脳が休んでいると言われます.

この脳が休むノンレムの時が【深い眠り】と言われる事が多いのですが,個人的には納得していません.

 

レムの時間,実は身体の筋肉の働きが完全なゼロになります(金縛りの理由).

普段,筋肉は力を抜いているつもりでも極わずかに力が入っています.アイドリング状態だと考えてください.

レムで眼球運動(目の筋肉が活動している)は起こっているのに,身体の筋肉は完全に活動を停止しているって何か変だと思いませんか??

眠っているのに脳が働く理由があるはずですよね.

 

もろもろ割愛しますが,レムは脳が働いて積極的に身体を休める時.

ノンレムは,脳が休む時.

と解釈すると説明がしやすいのです.

 

眼球運動は目のお掃除.朝目ヤニがついている事ありませんか?目に付着した不純物を体外に押し出しているのだと考えられます.

また不整になった角膜を整えている可能性も考えられます.

筋肉の働きがゼロになるのは,筋肉の積極的な休養と回復です.

わずかにでも力が入っていると充分な休養が取れないはずです.

 

このように【脳が休んでいる時期(ノンレム)】と【身体を休めている時期(レム)】に分けると,睡眠を理解しやすいと思っています.

ですから,ノンレムが深く,レムが浅い睡眠と言うのは語弊があるのでは??と考えます.

両方あるのが質の良い睡眠という事です.

 

さきほど少し金縛りとカッコ書きしましたが,金縛りは身体の筋肉のスイッチが完全に切れているレム睡眠中に,脳の活動が覚醒レベルに達してしまった事で起こります.

目が覚めたような意識はありますが,筋肉のスイッチが完全に切れているので身体が動かないんですね.

完全に覚醒している訳ではないので,本来目は開かず何も見えませんが,何かを見たという人の多くは【夢】と同じ状態なのです.

睡眠麻痺という医学的な用語もありますので,オカルティックな現象ではないため頻繁に起こる方も安心してください.

 

 

話しを戻して,じゃあどうしたら睡眠の質が良くなるか?

環境もありますが心身ともに興奮を抑えてあげるのが重要です.

こういう事には鍼灸がとっても良いです.

自律神経への作用や脳血流の変化を起こせるからです.

他にも睡眠方法などもありますが,文字数で次の機会に.

睡眠でお悩みの方は鍼灸受けてみる価値あります!

 

 

 

 

 

 

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セプトきらく鍼灸整体院

【整体・マッサージ・エステ・小顔・肩こり・腰痛・ヘッドスパ・美容鍼・猫背・巻き肩・反り腰・産後骨盤・小顔】

≪住所≫ 石川県金沢市香林坊1-2-40 石川県教育会館1F 

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