今回は【トリガーポイント】と【経穴(ツボ)】について解説してみます.
最初に書きますが,ある手術の操作中の研究では,筋膜に対する刺激はほとんど痛みを感じないと結論つけられています.
より深く痛みや体の構造から考察し直したため,今まで考えられてきたトリガーポイントの概念を覆す形になりますが,トリガーポイントの考え方に疑問や違和感を持っている人には読んでもらえればふに落ちる部分があるはずです.
トリガーポイントの定義は,“筋硬結と関連がある,筋における非常に過敏なスポット”とされています.
この概念は1942年にJanet G. Travell医師によって考案されたそうです.
あくまでも概念でありイメージング研究でもトリガーポイントの存在は証明されていません.80年近く前の概念が,医学的な発展を迎えた今でもほぼ変わらずに存在し続ける事の影響力は非常に大きいと言えます.
肩こりや猫背でお悩みの人は多いですよね.
当店でも肩こりのお悩みは特に多いです.
そしてモデルなど人に見られる事や姿勢を気にされている方にとっては,猫背は大敵.
そんな二つのお悩みを,解消出来る(・・・かもしれない!?)
エクササイズをご紹介します.
当店でも満足度の高いエクササイズなのでとにかくやって頂く事をおススメします!
よくある治療院に行くと必ずと言っていいほど,言われる言葉です.
「骨盤や背骨のずれが腰痛や体調不良の原因になっている」
「矯正で治せば体調は良くなります」
という説明.
これ嘘です.
正確には嘘ではないかも知れません.
言っている人が‘正しいと思い込んでいる’なら嘘ではありません.
但し,真実ではない.
知識が少ないのでそのような結論しか出せないということでしょう.
スポーツメディスンフォーラムの参加記録②です.
投球障害についての内容です.
野球やテニスなどのオーバーヘッドスポーツで,
肩・肘の痛みに悩まされている人は特に読むと悩みの解消につながります.
フォーラム①は‘肉離れを考え直す’というテーマで,
最新情報や予防法を含めて,肉離れをしっかり考える必要性を記事にしました.
今回はフォーラムのランチョンセミナーから午後のセッションのテーマであった,
‘投球障害’を記事にします.
具体的に,肩や肘の痛みが起きているのは何が原因でどう対処すれば良いかが重要です.
身体の機能では,
が問題となります.
肩前方の組織の緩みは,部分的な筋力低下や後方組織の柔軟性低下も
同じような状態ですので同様の考え方になります.
体幹や股関節の可動域は,間接的に肩甲骨の位置に影響するので,
重要なのは肩甲骨と上腕骨の位置関係だと考えれば大丈夫です.
3月18日 横浜浜銀ホールで行われた第9回スポーツメディスンフォーラムに参加してきました.
午前は肉離れについて,スポーツ経験者は分かると思いますが,肉離れは再発率が大きい病態です.
これはメディカル側でも指導者側でも重要で,治りきらない状態でプレーを再開してしまうというのが大きな問題で,如何に治ったという評価ができるかがポイントになります.
ランチョンセミナーを含む午後からのセッションは ‘投球障害’ についてでした.
こちらは,フォーラム② ‘投球障害’ のコラムになります.
肩こりに悩まされている人は多いと思います.
肩こりの体操などの調べると色々なやり方が出てきます.特に肩甲骨周りを動かすものが多いようです.肩甲骨に限らず首や固周りを動かすと肩こりは一時的に楽になります.
肩こりの原因をいつまでも筋肉だと考えていると一時的に楽になるだけで根本的な解決にはなりません.
ついつい肩こりだからと放っておく人もいるみたいですが,そのままだとどんどん悪化するかも知れません.
腕の痛みや痺れまで悪化しないようにするにはどうしたら良いか?何をやってはいけないのでしょう?
肩こりとはどこからの痛みかを考えてみましょう.
首の構造を基にセルフケアと日常生活の注意点をまとめてみます.
セルフケアだけ知りたい方は下の方まで読み飛ばしてください.でも絶対全部読んだ方がためになります!
予防にもなりますので是非参考に.
人が1日に活動している時間のなかで,65%の時間を座って過ごしています.
この座っている時間と普段の活動量は,腰痛と関係があると言われています.
特に日本人は座っている時間が特に長く,1日に7時間座っています.
そして,デスクワークをしているほとんどの人は座りっぱなしだそうです.
座位行動の科学 日健教誌,2013より
各国の座位時間の比較
It's my style : http://www.okamura.co.jp/ims/より
座っている時間が長く,普段運動する機会が少ない人は慢性的な腰痛が多いと言われています.
この原因については言及されていませんが,痛みの起こり方として考えるといくつかその理由はありそうです.
まず,同じ姿勢が続くと炎症を起こしている関節は神経が過敏になり,痛みを感じやすくなります.
臨床家の人も良く経験するでしょうが,朝の痛みや動き始めの痛みはこれも関与しています.
血流の問題もあります.
筋肉というのは本来,物理的な刺激に対してはよっぽど強い刺激でないと痛みとして感じません.
しかし,血流が悪く酸素不足の状態で筋肉が働こうとすると痛みを感じるようになっています.
動かないでいることで血流が悪くなり痛みを感じてしまうことになります.
腰痛治療のガイドラインに沿うと,腰痛に対するエクササイズとういのはエクササイズの種類にこだわらず,エクササイズを継続するとある程度緩和の効果がある.とされています.
実は全ての腰痛に効果のある,特効薬のようなエクササイズというものはありません.
腰痛の原因は様々で,原因次第で必要なエクササイズは変わるからです.
こんなことを言ってしまうと,身もふたもありませんが・・・
それでも,腰痛というのはある程度のパターンに分けることが出来ます.
まず多いのは,前屈型と後屈型の分け方.
今回はこの後屈型の腰痛に焦点を絞ってエクササイズを紹介します.
後屈型の腰痛というのは,身体を後ろに反らせたときに痛みが出る腰痛を言います.
タイトルに女性と付けたのは,女性は妊娠をきっかけに姿勢が変わり,この後屈型の腰痛になる人がいるためです.
妊娠経験がなくても,腹筋が機能的に働かないと同じような症状になります.
もちろん男性も油断できません,太ってお腹が出ると同様に腰痛になります.
後屈型の腰痛の原因は様々ですが,
背骨の関節,特に腰の部分は沿った時にストレスがかかる構造をしています.
さらに腰を反らせると神経の通り道が狭くなるため,神経に由来する痛みも出やすくなります.
脊柱管狭窄症というのもこういった事に因子があります.
椎間板にもよじれるような力が働き痛みが出ることもあり得ます.
先にもちらっと書きましたが,姿勢が変わることや動作の仕方が大きく影響してきます.
特に立つときや立っている姿勢です.
生物はそれぞれの構造によって動きかたが決まります.
関節は曲げ伸ばしや捻ることが出来ますが,関節ではない部分は動きません.
骨や筋肉の機能して,始めて重力に対して姿勢を保ったり,動くことが出来ます.
しかし,人によって骨や筋肉の使い方は様々で,同じ姿勢・動作でも使っている筋肉は違います.
わかりやすいように‘投げる’という動作を考えてみましょう.
クラビズム11月号に掲載していただいております.
肩,膝,腰の痛みや体型に対するお悩みに対して専門家としての回答しました.今回は姿勢と身体の関係にこだわって紹介しています.
姿勢は日常の全ての時間に関わるため.身体への負担は非常に大きいものになります.
頭の位置は首の関節や肩回りの筋肉に負担をかけ,腕のしびれや肩こりの原因になります.
頭の位置は,背骨の胸の位置(胸椎)の曲がり具合に影響を受けます.胸椎はもとから前に少し曲がっていますが,普段のクセやその周囲の背筋が弱くなったり,働いていないと胸椎の曲がりがひどくなります.この胸椎がしっかり伸びないことで肩こり,首や背中の痛みが出ている人が非常に多いと思います.
胸椎が曲がると肩甲骨の動きも小さくなりいわゆる‘五十肩’にもつながります.
立っているときに,腹筋の働きが不十分であったりお尻の筋肉がしっかり働いていないと,骨盤が前に倒れてお腹が前に出た姿勢となり背骨の腰の部分(腰椎)に負担がかかります.
この姿勢が続くと,背骨の変形や靭帯が厚くなり,脊柱管狭窄症や腰椎分離症,背骨にズレが起きる腰椎すべり症につながる可能性があります.
座っていて背中が曲がっていると,骨盤は後ろに倒れ,腰椎から胸椎も丸くなります.この状態では腰椎の椎間板は圧迫を受け続け,椎間板の水分は減少していきます.椎間板は徐々にもともとの状態ではなくなり(変性),少しのストレスでも痛みを感じやすくなったり,力学的な負担に弱くなりヘルニアを引き起こしやすくなる可能性もあります.また,腰の筋肉も引き伸ばされた状態のため,血流が悪くなり腰の筋肉がもとで腰痛を引き起こすこともあります.
お尻の筋肉が働かず股関節が内側を向いていると,骨盤の傾きも変わりますし股関節自体の安定性にも変化があります.股関節は本来ボールとカップの形状をしており体重を支えていますが,本来の位置と違う場所で体重を受けたり関節が安定しないと股関節の変形を生じる可能性もあります.
さらに,膝が内側を向きます.爪先が前を向いていると膝の関節が捻った状態で体重がかかり,膝の変形や痛みを生じやすくなります.また,その状態では,足首が内側に倒れ足の内側ばかりに体重がかかります.そうすると,偏平足や外反母趾につながります.
また,姿勢が悪いということは日常的に筋肉を使っていない,エネルギーを使っていないということですから,悪い姿勢でいることが肥りやすい状態を作っていることにもなります.良い姿勢をキープ出来ればそれ自体がダイエットにもつながります.
足の変形が,膝や腰に影響することもありますし,逆もまた然りです.姿勢が崩れている原因をしっかりみてそこにアプローチしないと,姿勢が悪いのは分かっているがなかなか直らないということにもなりかねません.
原因をしっかりみて治すべきところを考えましょう.
石川県金沢市 スポーツと身体のケアなら Sept.㐂楽
膝が変形し痛みに悩まされている方は多いです.
しかし,変形があるから必ずしも痛い,訳ではないのです.
専門家の方も一度考え直してみましょう.
臨床でも膝の変形と痛みの度合いは必ずしも一致していないことがよく見られます.
整形外科の医師にうかがっても,「変形性膝関節症(膝OA)は,X線像にて手術適応が決定されることはない.
著しい膝変形にも関わらず,さほど辛そうでないこともよくある.」とのことでした.
では,膝の痛みはどこからきているのか?
そのような膝関節の変形と痛みのについて考えてみましょう.
書籍などを調べてみると,
つまり膝の痛みがあってもレントゲン上変形があるのは少数であり,
レントゲンで変形があっても痛みがある人は多くないということです.
不思議な感じがしますね.ではその痛みはどこからきているのでしょう?
スポーツの痛みには様々なものがありますが,大きく分けると,’スポーツ外傷’と’スポーツ障害’に分けられます.
外傷は,打撲・骨折など一回に大きな力が加わり身体に損傷が生じたものを言います.
障害は,繰り返す力が徐々に蓄積し,徐々に身体に損傷が生じたものになります.
今回は,スポーツ障害についての記事です.スポーツ外傷の記事はまた次の機会に.
スポーツと言ってもその競技それぞれで,負担のかかりやすい部分は違います.
他にも股関節や足首,すねの内側,アキレス腱の痛みがあります.
それぞれに痛みの原因があり,個人個人で差異があります.
ボールの投げ方,ラケットなどの道具の使い方,身体の動かし方が挙げられます.
投球では,ボールの握り方から腕の振り方,身体の捻るタイミングや股関節の固さなど,色んな理由が考えられその原因を突き止めることが必要になります.
ラケットやクラブを使う競技では,スウィングの仕方やインパクト時の状態,道具自身の重さや性状も関係してきます.
ジャンプ動作でも,膝を主に使うか股関節をしっかり使えるかで負担が変わります.股関節をしっかり使えれば,ジャンプ力や敏捷性の向上も見込まれ,競技パフォーマンスを引き上げることも可能です.
膝の痛みや腰の痛みも同様に,原因が様々でいかに的確にアプローチできるかが重要です.
スポーツの特性を理解していること,人の構造を詳しく知っていることが必要最低限になります.
巷でまことしやかに言われていることが間違いであることも少なくありません.日本でのスポーツに対する考え方は,まだまだ古いままと言わざるをえない状況です.
動き方やフォームをチェックして原因を見直してみましょう.今までと違う身体の使い方が見えてきますよ.
五十肩とよく言われますが,肩の痛みの総称のようになっています.腰に痛みがあるのを,腰痛症というのと同じですね.
なかでも肩の痛みがひどくなり,肩関節が90°程度しか上げられないほど固くなってしまうことがあります.
そのような症状になった人,治療に面した人はわかると思いますが,なかなかよくならず2年ほど痛みや固さが続くことがあります.
これを少しでも早くよくするのにはどうすればよいかを考えてみます.
凍結肩についてのレビューを参考にしています。
今までは凍結肩について、病態を細かく考えられていないものが多いようです。
病態理解がないままだと、関節内圧だけの話に囚われたり、病態に則した治療が行われないため、一度深く掘り下げてみる必要があるのでしょう。
いわゆる凍結肩(五十肩)
痛みと拘縮(関節が固くなること)
痛み
夜間の痛み,可動最終域(外転+外旋*シートベルトをとる,伸展+内旋*帯を結ぶ,後ろのポケットに手を回す)での運動時痛
徐々に増悪し安静時にも痛みを生じるようになる
上肢の運動反復,精神的ストレス,寒さや振動刺激,天候の変化にて増悪
90%の患者で1~2年間痛みが継続する
拘縮
肩甲上腕関節包内運動における可動域の減少
一般に外転や内旋より外旋の制限が大きい
定義
定義・治療・病態説明が困難
肩関節疾患のない原因不明の可動域制限
病態生理
ほとんどが不明
神経・外科・組織学的所見
肩甲上腕関節滑膜が関係する
病態生理モデルおよびCRPS(複合性局所疼痛症候群)との対比
拘縮より先に疼痛が発生し,先に疼痛が改善されるかは不明
疼痛の原因は関節構造の変化によるものではないと考えられる
上肢に自律神経障害がある
CRPSとの共通点は・・・外傷,糖尿病,甲状腺異常,脂質異常症 で発生しやすい
初期の炎症を伴わない疼痛期は数週から数か月持続
徐々に結合組織の拘縮を伴うようになる
アドレナリン受容体,後根反射,中枢神経システム,神経終末の漿液性球状変化,交感神経感作用が関与していると考えられる
疫学
両側に発症しやすい (16%が対側も発症*糖尿病症例ではさらに多い)
同側の再発はまれ
甲状腺機能亢進症,高脂血症で発症しやすい
いわゆる五十肩です.病院で五十肩という診断を受けることはほとんどありません.滑液包炎や肩関節周囲炎が多いと思います.
現在,こういった症状への対処は病態を意識したものではありません.
上記の事柄から考えると,
・原因神経組織と虚血の解除
・鍼通電やIschemic conditioningが適応されると思われます.
お問い合わせください.